トヨタGR86 規制対応でハイブリッド化、2025年に新型登場か ガズー初の電動スポーツカーへ

公開 : 2023.08.04 21:05

会長もEVプロトタイプに試乗 全固体に期待も

現在、トヨタをはじめとする各EVメーカーは、バッテリーの高さを概ね150mmに設定している。市販EVに背の高いクロスオーバーやSUVが多いのは、かさばるバッテリーを搭載するのに十分なスペースがあるためだ。

しかし、トヨタはすでに120mmへの変更を進めており、さらなる縮小も視野に入れている。中島CTOは「目標は100mm」とし、「将来的には、例えばバッテリーEVのスープラを作ることができるように」と述べた。

GRスープラのようなスポーツカーには、低いバッテリーが必要だ。
GRスープラのようなスポーツカーには、低いバッテリーが必要だ。

トヨタの豊田章男会長は最近、AUTOCARの取材に対し、EVのGRスポーツカーのプロトタイプに試乗したことを明らかにしたが、そのサイズ、形状、位置づけなどの詳細には触れなかった。

中島CTOによると、100mm高のバッテリーを量産化するための課題は、現在の品質基準を満たすことと、十分な速度の充電機能を提供することだという。

トヨタは現在、パナソニックと共同出資する合弁会社を通じて、これらの問題に取り組んでいる。

その一方で、小型かつエネルギー密度の高い固体電池の生産で、業界をリードしようとしている。内部関係者によると、同社は他社で開発中のゲルベースの「半固体」ではなく、「全固体」電池を市場に投入する決意を固めているという。

現在のところ、トヨタ・パナソニックの全固体電池の第一弾は、2026年末に中型バンに搭載されると予想されている。

バンは、小型バッテリーを十分に保護されたスペースに搭載できるため、最初のアプリケーションとして理想的だと考えられている。全固体電池は、たわむと割れやすくなるため、超高剛性マウントが必要だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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