新しい「マセラティ・グラントゥーリズモ」、どう変わった? 4万台売れたシリーズがフルモデルチェンジ

公開 : 2023.08.22 19:18

内装 セレクターは横並びのボタンに

インテリアはトラディショナルな雰囲気を残しつつ、グレカーレで投入された新しい要素が融合された印象だ。

メーターは12.2インチのフルデジタルになり、4タイプのグラフィックが選べる。

センターコンソールの上下2枚の画面に挟まれた4つのボタンがシフトセレクターにあたるスイッチ。左から「P」「R」「N」「D/M」だ。
センターコンソールの上下2枚の画面に挟まれた4つのボタンがシフトセレクターにあたるスイッチ。左から「P」「R」「N」「D/M」だ。    宮澤佳久

センターには12.3インチと8.8インチのディスプレイが上下に並び、オーディオやエアコンなどをコントロールする。

スターターボタンとドライブセレクターは3スポークのステアリングホイールに組み込まれ、セレクターレバーが横並びのボタンになったことで、センターコンソールは収納スペースが増えた。

インパネ中央の時計もグレカーレに続いてデジタルに進化。コンパスやGフォース、ストップウォッチなどの機能も盛り込まれていて、スマートウォッチに置き換えられたような印象だ。

オーディオもグレカーレに続いてソナス・ファベールを起用。標準で14スピーカーと2Dサラウンド、上級のシステムでは19スピーカーと3Dサラウンドが用意されるほか、フォルゴーレではモーター音をデジタル処理し、伝統的なマセラティV8の響きと融合したサウンドが届けられるという。

4輪駆動で登場 2023年中に正式発表へ

エンジンはMC20に積まれる、マセラティ・ツイン・コンバスチョン・テクノロジー採用の3L V6ツインターボ「ネットゥーノ」をウェットサンプ化して搭載。グレードはモデナとトロフェオがあり、前者は490ps/600Nm、後者は550ps/650Nmを発生する。いずれも8速ATを介して4輪を駆動する。

フル電動のフォルゴーレは、フロントに1基、リアに2基のモーターを積み、トータルの最高出力は750ps、最大トルクは1350Nm。

新型グラントゥーリズモ・トロフェオ(内装色:ネロ/アイス)
新型グラントゥーリズモ・トロフェオ(内装色:ネロ/アイス)    宮澤佳久

2基のリアモーターは左右独立なので、トルクベクタリング機能も果たす。駆動用バッテリーは床下ではなく、センタートンネルとリアシート部分にTボーン型に搭載。おかげで低い全高を実現できた。

価格はエンジン車については公表されていて、モデナが2444万円、トロフェオが2998万円。正式発表はエンジン車が年内、フォルゴーレは来年とのことだ。

ではなぜこのタイミングでお披露目されたかというと、この後ディーラーキャラバンで各地の販売店を巡り、お得意様にいち早く実車を見てもらうためだという。このあたりもまた、ラグジュアリーブランドらしい配慮だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 撮影

    宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

関連テーマ

おすすめ記事

 

マセラティの人気画像