グリルが一味違うぞ! マセラティ新型「2ドア・オープンカー」実車公開 760馬力、快適重視のグランカブリオ・フォルゴーレ

公開 : 2024.04.17 06:05

マセラティが新型グランカブリオ・フォルゴーレを公開した。3基の電気モーターを搭載するEVのカブリオレで、ソフトトップは14秒で開閉可能。快適性重視のチューニングだが最大トルクは135kg-m超に達する。

合計出力760ps、航続距離447kmへ

イタリアの自動車メーカーであるマセラティは、新型「グランカブリオ・フォルゴーレ」を公開した。ソフトトップを備えたEVで、グラントゥーリズモのカブリオレ版となる。

先に3.0L V6ツインターボ仕様が発表されているが、EVのフォルゴーレ(イタリア語で稲妻の意)は3基の電気モーターを搭載する。1基はフロントに、残りの2基はリアに配置され、合計出力760ps、最大トルク137.7kg-mを発生すると言われている。

マセラティ・グランカブリオ・フォルゴーレ
マセラティ・グランカブリオ・フォルゴーレ    AUTOCAR

実はモーター1基あたりの出力は400psに達するが、バッテリーが一度に放電できるのは600kW(815ps)までとされるため、3基の合計出力を抑えている。今後のバッテリー技術の向上や製品改良によって、この上限が引き上げられる可能性はある。

バッテリー容量は92.5kWh(実質容量:83kWh)で、1回の充電での航続距離447kmとされている。クーペ版のグラントゥーリズモ・フォルゴーレの450kmと近い数値である。

全長5.0m以内 快適性重視のチューニング

グランカブリオ・フォルゴーレのボディサイズは全長4960mm、全幅1957mm、全高1375mm、ホイールベース2929mm。

剛性を高めるため、シルとリアトレイ周辺が強化されている。チーフエンジニアのダヴィデ・ダネシン氏によると、グランカブリオでは俊敏性よりも快適性を優先したという。

マセラティ・グランカブリオ・フォルゴーレ
マセラティ・グランカブリオ・フォルゴーレ    AUTOCAR

「グランカブリオのお客様はGTのお客様とは異なります。グランカブリオのお客様は通常、クルマに最高のパフォーマンスを求めるようなハードドライバーではありません。ステータス性を求め、良い環境で自由な生活を楽しみたいのです」とダネシン氏は言う。

グランカブリオ・フォルゴーレは、クーペ版から約90kgの重量増となるが、直進加速性能はほとんど変わらない。0-100km/h加速は2.8秒で、クーペ版との差はわずか0.1秒だ。

あえてフラットパネルにしなかったグリル

エクステリアの特徴の1つがフロントグリルで、3.0L V6ツインターボ仕様とは異なるデザインを採用した。グリルのスロット開口部がエンジン車と「逆」になっているのだ。

マセラティのチーフデザイナーであるクラウス・ブッセ氏は「顔のないクルマ」になるのを避けるため、市販EVによく見られるフラットパネルではなく、新しいグリルデザインを開発したと語っている。

マセラティ・グランカブリオ・フォルゴーレ
マセラティ・グランカブリオ・フォルゴーレ    マセラティ

「フォルゴーレでも、グラントゥーリズモ(V6)でも、グレカーレでも、真のマセラティの顔を手に入れることができます」

グランカブリオ・フォルゴーレには電動格納式ファブリックルーフが装備されており、14秒で開閉できる。走行中も50km/h以下の速度であれば操作可能だ。

乗員の首周りを温めるネックウォーミング・システムが標準装備され、温度設定は3段階ある。室内の乱気流を抑えるウィンドディフレクターはオプションで設定されている。

欧州では年内に、米国では来年に発売予定とされる。価格は未定だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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