シトロエン・グランドC4ピカソ / C4ピカソ

公開 : 2014.12.27 23:40  更新 : 2021.10.11 09:10

■どんなクルマ?

シトロエンのC4ピカソが、7年ぶりとなるフル・モデルチェンジを受けた。その洗練されたスタイリングとともに、卓越した機能性で日本でもこれまで高く支持されてきたC4ピカソ。新型への期待はもちろん大きい。

日本市場に導入される新型C4ピカソは、5シーターの “C4ピカソ” と、7シーターの “グランドC4ピカソ” の2モデル。前者は “エクスクルーシブ” のモノグレードで、後者は “エクスクルーシブ” のほかに、ベーシック・グレードとして “セダクション” が用意される。車両本体価格のレンジは347万円から378万円。競争力はかなり高いと見るべきだろう。

C4ピカソとグランドC4ピカソは、キャビンのシート・レイアウトのみで差別化を図ったモデルではない。ボディはC4ピカソが全長×全高×全高で4430×1830×1610㎜。グランドC4ピカソは4590×1830×1630㎜。ホイールベースもC4ピカソの2785㎜に対して、グランドC4ピカソは2840㎜だ。そしてスペック・シートでもうひとつ注目したいのは車重。これは先代比で約50kgのマイナスとなる。

エクステリア・デザインも、この両モデルでは積極的に差別化されている。シトロエンのイニシャルである、 “C” の文字をモチーフとしたアクセント・ラインを採用しているのは両車ともに共通だが、C4ピカソではサイド・ウインドウのフレームで、一方のグランドC4ピカソではAピラーからテール・ゲートまでを大きく回り込むデザインが採用されている。ほかにもディテールの違いは多く、それによってキャラクターの差を巧みに演出している。

インテリアも実に斬新なフィニッシュだ。これこそがシトロエンの最新ジェネレーションの象徴なのだという主張が、そのデザインを見ているだけで伝わってくる。フルデジタルのインターフェイスはセンターにレイアウトされ、上には12インチ、そして下には7インチのディスプレイが備わる。メーター機能を持つ12インチ・ディスプレイは、そのデザインをカスタマーの好みで変更することも可能。またエアコンやオーディオ、ナビゲーション・システムなどの操作を集約して行う7インチ・ディスプレイも、機能性は非常に高い。

シート・レイアウトやラゲッジ・スペースのデザインは、さすがに伝統的に自動車の機能性=合理性には強い拘りを持つフランスで生まれ、そして育まれたモデルだけのことはある。2列目シートでも前後スライドを可能にしていることや、独立式のデザインを採用することで快適性を高めていること。グランドC4ピカソの3列目シートは、さすがに緊急用といった印象が強いが、それをワンアクションで収納することでさらに容量が増えるラゲッジルームは、相当に使い勝手が良い。ちなみにグランドC4ピカソのラゲッジ・スペースは、2列目シートまでを収納すれば、最大で2181ℓにまでそれを拡大することが可能だ。

記事に関わった人々

  • 山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。

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