元箱入り娘シトロエン2CVと、フィアット500ベースの超希少車 南知多で出会った旧車オーナーたち

公開 : 2026.05.23 12:05

2000年までに生産された欧州車を対象としたイベント『チッタ・ミラマーレ』が、3月22日に開催されました。150台集まった中から、高桑秀典がふたりのオーナーをピックアップ。その出会いなどを聞きました。

中学生の頃に雑誌で見て憧れた2CV

去る3月22日に愛知県南知多で開催された『チッタ・ミラマーレ2026』は、愛車を海の前に並べ、のんびりしたり、オーナー同士の親睦を深められたりするため、今回も数多くのクルマ好きが参加した。シトロエン2CVオーナーのきたさんも、その中のひとりだ。

人との出会いと同じように最愛のクルマとすぐさま巡り合えるケースもあるが、そうでない場合も多々あり、きたさんは後者だった。

なかなかイイ出会いがなく、1990年式のシトロエン2CVを買ったのは2011年のことだった。
なかなかイイ出会いがなく、1990年式のシトロエン2CVを買ったのは2011年のことだった。    高桑秀典

「日常の足として使っていたスズキ・カルタス・コンバーチブルはふたり乗りなので、子どもができたことから、かつてからの憧れだった2CVを買おうと思ってたまたまディーラーに行ったら、幼稚園時代の同級生がセールスとして働いていたんですよ。今ディーラーにある2CVは正直程度がよくないので、家族旅行に向く(シトロエン・)エグザンティアにしたらいかが、と勧められ、ブレークの新車を買ってしまいました」

フォード・フェスティバを買いに行った

就職した時にフォード・フェスティバを買いに行ったらキャンバストップの納車待ちが1ヵ月半だったので諦め、結局、屋根ありを購入。また、友人が先にNA型マツダ・ユーノスロードスターを買ってしまったので、こちらの購入も諦めたことがあるのだという。どうしてもオープンカーに乗りたくて迎え入れたのが、カルタス・コンバーチブルであった。

「エグザンティア・ブレークは快適でしたが、やはりドナドナされる回数が多くなり、高額の修理費がかかると言われた時に、再び通勤にクルマが必要になり、燃費が悪いエグサンティアに乗り続けるよりも念願の2CVを入手し、通勤に使おうと考え出したんですよ」

一時期、通勤車が不要となったが、また使うことになり、4気筒エンジンだが燃費がリッター8kmぐらいだったことも買い替え理由となった。

ついに念願だった2CVを購入

子どもたち(1993年と1996年生まれ)が大きくなり、きたさんのもとに2CVを買える好機が到来した。

再び本気で探すことになり、ディーラーを再訪したら2CVの売り物があったが、この時も程度があまりよくなく、ネットで調べた京都にあるショップで購入した。

100円ショップで買った簾がルーフにぴったりで夏も快適。増設トランクも似合っている。
100円ショップで買った簾がルーフにぴったりで夏も快適。増設トランクも似合っている。    高桑秀典

「私が買った2CVは箱入り娘で、前オーナーは車庫でちょっとだけエンジンをかける程度だったようです。2011年に買って、フレンチブルーミーティングに行ったら凄いオーナーさんがいて、2CV用の増設トランクを造っていたんですよ。その後、縁あって私も使うようになりました」

その『縁』とは、通勤で地元の道を2CVで走っている時の信号待ちで、横に並んだ初代パンダの女性オーナーが増設トランクを持っていて、ビーチパラソルと交換した(!)のだという。

フレンチブルーミーティングで再会

「信号待ちで窓越しに、我が家にも2CVがあるんですよ! って声をかけてくれて、それっきりだったんですが、しばらくして長野でのフレンチブルーミーティングで偶然にもまた出会いました。ちょうど彼女がパンダで帰る寸前のところで、その時もまた窓越しの挨拶だけになりそうでしたが、あの時の信号待ちの方ですよね! ってことになって、それから知り合いなり、クルマ好きが集まる彼女の秘密基地にお邪魔するようになったのです。

それで、亡くなったご主人が2CVのスペシャリストで、もう増設トランクを使わないので……ということで託してくれたんです。でもお互いに、借りあいっこしているということになっています」

なお、ボタン部分を引っぱって選曲する純正ラジオを装備している2CVは通勤の足として活躍していたが、退職したので、いまは日常使いやイベント参加時に乗っている。通勤時は朝早くに家を出て、夜晩くに帰宅するのでエアコンは必要なく過ごせたが、昨今の夏は暑いので、昼間は幌を『すだれトップ』にして何とか凌いでいるそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    高桑秀典

    Hidenori Takakuwa

    1971年生まれ。デジタルカメラの性能が著しく向上したことにより、自ら写真まで撮影するようになったが、本業はフリーランスのライター兼エディター。ミニチュアカーと旧車に深い愛情を注いでおり、1974年式アルファ・ロメオGT1600ジュニアを1998年から愛用中(ボディカラーは水色)。2児の父。往年の日産車も大好きなので、長男の名は「国光」。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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