三菱がパジェロをシリーズ化! コンパクト&スモールSUV版追加へ 車名はミニ&ジュニア復活? 6年度間で13車種投入も明言

公開 : 2026.05.30 11:45

三菱は5月30日、新しい『中長期ビジョン』(2026〜2031年度)を公開しました。その6年度間で13車種投入も明言され、その中にはパジェロと、パジェロ・シリーズの新規モデル2台も含まれます。桃田健史の解説です。

尖った商品とは何を指す?

三菱自動車工業(以下、三菱)は5月30日、都内で記者会見を実施し新しい『中長期ビジョン』(2026〜2031年度)を公開した。テーマは『尖った商品、ブランドの強化によりお客様満足と企業価値を向上』だ。

では、『尖った商品』という抽象的な表現は何を指すのか? それは『三菱らしさ』という言葉に置き換えることができる。

三菱がかつて展開していたパジェロ・シリーズ。左上から時計回りに、パジェロミニ、パジェロジュニア、パジェロ、パジェロイオ。
三菱がかつて展開していたパジェロ・シリーズ。左上から時計回りに、パジェロミニ、パジェロジュニア、パジェロ、パジェロイオ。    三菱自動車

具体的には、あらゆる地形を走り抜ける走破力、長期使用を支える高い耐久性と堅牢性、モータースポーツで培われた高度な走行性能、ドレスアップが似合う特徴ある商品(アクセサリ部品親和性)、そして環境に優しい電動車のラインアップという5つの領域を含む。

こうした尖った商品を、大きくふたつの領域に分けてそれぞれを商品として尖らせるという。ひとつ目は、三菱にとって主要市場であるアセアン(東南アジア)と、そこから世界の国や地域へ輸出される『アセアン商品群』だ。

主要な仕向地としては、ここ数年でシェアを急拡大させているベトナムとフィリピン。地域の特性として水害などの悪天候や悪路、急勾配の登坂でも多人数の家族で実用的に使えるモデルが好評で、そうした戦略をさらに強化する。

アセアン商品群の生産拠点であるタイでは中国メーカーの台頭、人口が多いインドネシアでは政治情勢の不安定、そして従来から三菱人気が根強いオーストラリアでは商品投入の遅れなどが影響して直近では台数減となっているが、今後はブランド価値の再強化によって立て直す。

オフロード商品群の中核技術『S-AWC』

ふたつ目の尖った商品は、『オフロード商品群』だ。

三菱は5月27〜29日にパシフィコ横浜で開催された『人とくるまのテクノロジー展2026横浜』にて、四輪制御技術『S-AWC』(スーパー・オール・ホイール・コントロール)に関する展示を行い、エンジニアらが三菱らしい走りについて講演を行った。

記者会見でパジェロ・シリーズ復活を発表する、取締役代表執行役CEOの加藤隆雄氏。
記者会見でパジェロ・シリーズ復活を発表する、取締役代表執行役CEOの加藤隆雄氏。    桃田健史

このS-AWCこそ、中長期ビジョンでいうオフロード商品群の中核技術であることが分かる。つまり、電子制御4WDの『デリカD:5』、ツインモーター4WDの『アウトランダーPHEV』、さらにはスーパーセレクト4WD-IIの『トライトン』など、日常づかいからオフロード走行まで幅広くカバーできるモデルを指す。

そうしたオフロード商品群の頂点として、『パジェロ』を投入することが明らかになったというわけだ。

三菱はこれまで、2027年中に新型クロスカントリーSUVを市場導入するとしており、メディアやユーザーの間ではこれがパジェロを指すとの見方があった。しかし、三菱がパジェロ復活を公表したのは今回が初めてだ。

新型パジェロのスペックについて詳細は明らかにならなかったが、車体はトライトンをベースとしたラダーフレームでそれを進化させたという。アセアン商品群の焼き直しではなく、パジェロとして新開発する。

パワートレインについても未公開だが、トライトンが搭載する2.4Lディーゼルエンジンが視野に入っていることが予想されるほか、電動化を考えると将来的にはハイブリッド車への期待が高まる。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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