イタリアの高級車ブランド『イターラ』が92年の時を経て復活 小型クロスオーバー開発に元フェラーリ技術責任者起用

公開 : 2026.05.29 17:05

1900年代初頭に存在していたイタリアの自動車ブランド『イターラ』が再始動します。中国GACのガソリンエンジン搭載クロスオーバーを改良し、欧州で販売します。同時に『オスカ』も復活し、ディーラーを共有する予定です。

ベース車はGACのトランプチGS3

歴史あるイタリアの高級車ブランド、イターラ(Itala)が92年の時を経て復活した。元フェラーリの技術責任者ロベルト・フェデリ氏がモデル開発を統括する。

イターラは1903年にトリノで設立され、1934年まで活動していた。今回のブランド再始動は、イタリア企業DRオートモビルズによる事業拡大の一環だ。同社は過去20年にわたり中国製モデルのバッジエンジニアリングを手掛けており、現在では欧州において有力な新興勢力となっている。

イターラ35は、トランプチGS3をベースに開発された。
イターラ35は、トランプチGS3をベースに開発された。    イターラ

6つのブランドを擁するDRオートモビルズは昨年、イタリアを含む数か国で約3万4000台を販売した。今後はより大きな市場であるフランスとドイツへの進出を計画している。

イータラは、同じく復活したオスカ(Osca)とショールームを共用する予定だ。オスカは、マセラティ兄弟が1947年にレース用として設立し、1967年まで活動していた。

現代版イターラの第一弾は、『35』と呼ばれる全長4.4mのガソリンエンジン搭載クロスオーバーで、GAC(広州汽車)のトランプチGS3をベースにしている。価格は約3万5000ユーロ(約650万円)からとなる見込みだ。

復活した『オスカ』と共存へ

イタリアのメディアによると、フェデリ氏がサスペンションの改良を監督したという。また、他のイタリア企業がインテリアを再設計し、特に赤のレザーとアルカンターラで内装を仕上げたほか、イタルデザインが外観を微調整したとされている。

オスカに関する計画はまだ発表されていないが、イタリアのメディアは昨年末、「ロータスの2.0Lエンジン」を搭載した「本格的なスポーツカー」が計画されていると報じた。これはおそらく、エミーラに現在搭載されているメルセデスAMG製4気筒エンジンを指しているものと思われる。

イターラ35には1.5Lガソリンエンジンが搭載される。
イターラ35には1.5Lガソリンエンジンが搭載される。    イターラ

DRオートモビルズは「ヒストリック・イタリアン・ブランズ」計画に基づき、今年後半にイタリア南部マッキア・ディゼルニアの工場に2つの新たな「生産施設」を開設する予定だ。同工場では現在、中国由来のモデルをノックダウン生産している。この5000万ユーロ(約92億円)の投資により、地元では約500人の雇用が創出される見込みだ。

DRオートモビルズはイターラ/オスカのディーラーを50店舗展開する計画であり、その第1号店はイターラの故郷であるトリノに開設される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    クリス・カルマー

    Kris Culmer

    役職:主任副編集長
    AUTOCARのオンラインおよび印刷版で公開されるすべての記事の編集と事実確認を担当している。自動車業界に関する報道の経験は8年以上になる。ニュースやレビューも頻繁に寄稿しており、専門分野はモータースポーツ。F1ドライバーへの取材経験もある。また、歴史に強い関心を持ち、1895年まで遡る AUTOCAR誌 のアーカイブの管理も担当している。これまで運転した中で最高のクルマは、BMW M2。その他、スバルBRZ、トヨタGR86、マツダMX-5など、パワーに頼りすぎない軽量車も好き。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

おすすめ記事