シトロエン2CV サハラ(2) 時代を経て正当化される半世紀前のコンセプト 砂漠を快調に突き進めそうな足まわり
公開 : 2026.05.30 17:50
2基のエンジンで四輪駆動を叶え、オフローダーと呼べる走破性を秘めたシトロエン2CV サハラ。トルクは太く、バネの効いた乗り心地は滑らか。残存100台以下といわれる希少車を、UK編集部が試乗です。
もくじ
ーサハラ砂漠を快調に突き進めそう
ーエンジンがあることを主張するリアのグリル
ー左右それぞれガソリンを注げる2基のタンク
ー時代を経て正当化された挑戦的コンセプト
ーシトロエン2CV サハラ/4x4(1960~1967年/英国仕様)のスペック
サハラ砂漠を快調に突き進めそう
シトロエン2CV サハラのキャンバストップを巻き上げ、フロントのベンチレーションフラップとサイドウインドウを開けば、開放感は抜群。ランドローバーならガタガタとボディを震わせながら進む凹凸も、バネが効いた乗り心地は滑らかだ。
通常の2CVはやや前傾姿勢だが、サハラはきれいに水平。ブレーキはインボード配置で、鋭く速度を絞ってくれる。

カーブへ飛び込むと、予想通りボディロールは大きい。一方、ステアリングホイールを握る手を左右に振り回すだけで、ボディを傾けながらヒラヒラ舞うような、機敏な身のこなしではない。慣性が大きいからだろう。
とはいえ、サスペンションはリーディングアームとトレーリングアームによる、独立懸架式。最低地上高が増し、増えた車重に合わせてスプリングレートも高く、サハラ砂漠を快調に突き進めそうに思える。スピードも充分に保てる。
エンジンがあることを主張するリアのグリル
今回の車両は1966年式で、正確には2CV 4x4を名乗る。スペアタイヤは、専用プレスが施されたボンネットの上。通常の2CVは、1961年にフェイスリフトを受けてフロントグリルの形状が変わったが、サハラは最後まで同じ顔つきだった。
1965年の小改良で、フロントドアは前ヒンジに変更済み。6ウインドウ・ボディの前後には、エンジンルームの通気用ルーバーが切られている。底面には、アンダーガードが追加されている。

タイヤの大きなストロークを想定し、リアフェンダーはラインが異なる。パイプ製のバンパーは、スタックした際にボディを持ち上げやすくする配慮だ。
パワートレインは基本的にフロントと対象構造で、トランスミッションの出力は、ファイナルギアで逆転されている。テール部分に露出した丸いグリルが、ここにもエンジンがあることを静かに主張する。
左右それぞれガソリンを注げる2基のタンク
エンジンと同様に、ガソリンタンクも2基載っている。通常の2CVではリアに位置するが、サハラの場合はフロントシートの真下。中央で仕切られており、フロントドアの下部から突き出た給油口で、左右それぞれにガソリンを注げる。
シトロエンは、1962年に2CV サハラから2CV 4x4へモデル名を変更。販売促進を図った。しかし、通常の2CVもサスペンションのストロークが長く、前輪駆動でトラクションに優れ、充分な悪路性能を備えることは広く知られていた。

アフリカで暮らす人が本当に必要としたのは、燃費に優れ整備しやすく、安価な通常の2CVだった。四輪駆動版は1967年までに694台の注文を集めたが、殆どはスペインの警察やスイスの郵便局など、過酷な環境を想定した欧州の各機関へ届けられた。
1963年の英国価格は、913ポンド。ランドローバー・シリーズIIAより高価で、プジョー403と並ぶ金額だった。1967年には、エントリーグレードのシトロエンID 19と同等にまで、フランスでの価格も上昇している。









































































































































