世界で一番売れているボルボSUV、『XC60』の話(前編)【日本版編集長コラム#83】

公開 : 2026.05.24 12:05

AUTOCAR JAPAN編集長ヒライによる、『日本版編集長コラム』です。最近乗ったクルマの話、取材を通じて思ったことなどを、わりとストレートに語ります。第83回は約1000km乗った『ボルボXC60』の話、その前編です。

歴代ベストセラーモデルとなったXC60

ボルボのミッドサイズSUV『X60』、そのトップグレード『ウルトラT6 AWDプラグインハイブリッド』に1000kmほど乗ることができた。以前の試乗会ではマイルドハイブリッドの『ウルトラB5AWD』を取材しており、その違いも気になるところだ。

その時もレポートしたが、昨年、XC60がそれまで最も売れたボルボであった240の累計販売台数を超えて、ベストセラーモデルとなった。

今回のお題は、ボルボのミッドサイズSUV『X60』。
今回のお題は、ボルボのミッドサイズSUV『X60』。    平井大介

それも納得の話で、各ブランドともこのサイズのSUVは軒並み売れているからだ。具体的にはメルセデス・ベンツGLCBMW X3フォルクスワーゲンティグアンアウディQ5といったあたりで、レクサスを牽引しているのもNXとRXである。

大市場を中心としたEV停滞で、ボルボに限らず戦略変更を強いられている。特にトランプ大統領が補助金を廃止したアメリカ市場での影響は大きく、最近では新EV『ゼロシリーズ』などの開発、販売を中止したホンダが歴史的な損失を計上したのは衝撃的だった。

そんな中でボルボは、販売ボリュームの大きいハイブリッド系のモデルライフを延長して対応した。XC90、XC60の大幅改良が順次続き、今回取材したのは後者となる。

XC60とは対になるEV『EX60』

ちゃんと書いておきたいのは、それでボルボの電動化が減速するわけではないことだ。4月22日には、XC60とは対になると言えるEV『EX60』の生産がスウェーデン本国でスタートしている。

それを知らせるプレスリリースには『ゲームチェンジャー』と書かれていて、スウェーデンやドイツといった主要市場はもちろん、欧州すべての主要市場で受注が社内予測を上回ったという。

新型EV『ボルボEX60』。日本は年内に導入されるはずだ。
新型EV『ボルボEX60』。日本は年内に導入されるはずだ。    ボルボ・カーズ

今年の後半にはアメリカ、アジア市場での受注開始も迫っており(恐らく日本も年内)、2026年分の増産を決定。スウェーデンのボルボ本社近郊にあるトースランダ工場は夏の稼働期間を1週間延長予定で、これは同工場で初めてのことだという。

また、EX60は本社のあるイェーテボリおよびスウェーデン経済の活性化にも貢献するという。金額ベースで『スウェーデン最大の輸出製品のひとつになることが見込まれている』というから、期待値はかなり高い。

EX60は最大810kmの航続距離を実現し、10%から80%の充電を16分で可能に。そして注目は、XC60プラグインハイブリッドと同水準価格に設定されていること。これは少しオーバーかもしれないが、いよいよEVが補助金に頼らなくても勝負できる日がくるのかもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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