【エントリーグレードでも充分イイ】フォルクスワーゲン・ゴルフ1.0 TSIへ試乗 3気筒109ps

公開 : 2020.12.14 10:25

今回試乗するのは、8代目ゴルフの中で英国では最も手頃な価格となる1.0 TSI。装備は充実し、上級志向なインテリアも魅力です。ベーシック・ゴルフの期待に応える中身なのか、3気筒109psを英国編集部が評価しました。

エントリーグレードでも装備は充実

text:Lawrence Allan(ローレンス・アラン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
今回試乗するのは、英国では8代目ゴルフの中で最も安価なグレード。新しいゴルフとなると、とかくGTIやRなどに注目が集まりがちだが、もう少し地に着いたグレードを評価する頃合いだろう。

英国価格2万3000ポンド(310万円)という手頃なゴルフは、どんな内容を備えているのだろうか。過去には、エントリーグレードのエンジンは避けるべき、と考えられていた時代もあった。

フォルクスワーゲン・ゴルフ1.0 TSI(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ1.0 TSI(英国仕様)

8代目のエントリー・トリムグレード、1.0 TSI ライフの価格は、プラットフォームを共有するセアトレオンより3500ポンド(48万円)ほど高い。しかし、標準装備の内容は大幅に充実するため、同等の内容で比べれば若干手頃な価格設定になっている。

エントリーグレードのゴルフであっても、ダッシュボードに据えられるのは、メーターパネルも液晶になるデュアルモニター。インフォテインメント用タッチモニターは、10.0インチある。色相が変化するアンビエントライトも付いている。

ドアミラーにはウインカーを内蔵。アダプティブ・クルーズコントロールに、オートLEDヘッドライトも付く。シートはランバーサポートの調整が可能で、キーレス・スタートも装備する。

エントリーグレードだな、と思える部分といえば、16インチのホイールくらい。でも、スチールではなくアルミだ。最新のデザインでは、だいぶ小さく見えてしまうけれど。

洗練され充分な加速が得られる3気筒

このライフ・グレードで選択できるエンジンは、英国では4気筒のガソリンターボやディーゼルターボがある。でもせっかくだから、一番安い1.0Lの3気筒ガソリンを選ぶことにした。最高出力は109psで、MTが基本となる。

一番安いゴルフで走り出しても、もはや底辺と感じさせる部分はない。8代目では確実に成長し、充分な洗練度を備えている。

フォルクスワーゲン・ゴルフ1.0 TSI(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ1.0 TSI(英国仕様)

ちなみに、10年前の英国で売られていた一番安いゴルフは、1.4Lの自然吸気で、79psと13.5kg-mしかなかった。ポロなら問題ないかもしれないが、子供をリアシートに載せるファミリー・ハッチバックとしては、非力に感じられたものだ。

8代目なら、そんな心配はいらない。現在の交通事情で、充分なだけの馬力がある。赤信号からの加速で一番を狙わなければ、力不足にもどかしい思いをすることはないだろう。

小さな3気筒エンジンはターボで過給し、2000rpmから最大トルクが得られるように設定されている。たくましいと感じるわけではないが、良く加速してくれる。

このエンジンは、ノイズや振動が3気筒としては大幅に軽減されいる。ゴルフに搭載されるユニットの中でも、かなり存在感が薄い方。アイドリング時も静かで、そこから少し回転数を上げれば、市街地を移動するのに不足ない。

比較的高めの回転域でも、エンジンは静かなまま。5速に入れていたと思ったら、3速だった、という時も何度かあったほど。

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