メルセデス・ベンツCクラス vs BMW 3シリーズ vs ジャガーXF 上級サルーン乗り比べ 中編

公開 : 2022.01.16 09:46

モデルチェンジを果たした新型Cクラス。定番サルーンの訴求力を、3台との比較で英国編集部が探ります。

英国ではDセグメントに並ぶ価格帯のXF

ジャガーXFは2020年初頭にフェイスリフトを受け、商品力が大幅に高められた。見た目に手が加えられただけでなく、インテリアはプレミアム感を増している。

上質な素材が与えられ、ピヴィ・プロと呼ばれるインフォテイメント用の大型タッチモニターも獲得。メーターパネルもモニター式になった。

 ブルーのメルセデス・ベンツC 220d AMGライン・プレミアムと、ホワイトのジャガーXF D200 AWD Rダイナミク S
ブルーのメルセデス・ベンツC 220d AMGライン・プレミアムと、ホワイトのジャガーXF D200 AWD Rダイナミク S

車内空間は流石に大きく広げることは難しく、メルセデス・ベンツEクラスと並ぶことはできないだろう。しかし最新の5代目Cクラスと比べれば、広く感じられると思う。

前編で触れたとおり、英国では価格も見直された。モデルの仕様を揃えれば、XFはメルセデス・ベンツCクラスやBMW 3シリーズと並ぶ場所にある。

後輪駆動のXF Rダイナミクス SEなら、英国では3万7000ポンド(約562万円)ほどで手に入る。一方でBMW 320d Mスポーツは4万ポンド(約608万円)を少し超え、C 220d AMGラインは4万2000ポンド(約638万円)を上回る。

数字としては、Eセグメントに属するジャガーXFが一番安い。今回の試乗車は四輪駆動ながらD200で、その差はさらに広がる。

残価設定プランで比較すると、英国ではBMWが1番手頃になる。3年後の予想残価が高く、結果的に毎月の支払額を小さく抑えることができるようだ。Cクラスも条件は似ている。とはいえ、大きな違いとまではいえないだろう。

最新の大型モニターに多くの操作系を集約

ドアを開いて車内を比べてみよう。このクラスのエグゼクティブ・サルーンに求めるインテリアが、前後に大人が座れる空間を備えた、充実した装備と豪奢な仕立てだとするなら、3台ともに要件は充分にクリアしている。

一見、最新のメルセデス・ベンツが全体的に最もリードしているように思える。だが、すべてがそうとも限らないようだ。

メルセデス・ベンツC 220d AMGライン・プレミアム(英国仕様)
メルセデス・ベンツC 220d AMGライン・プレミアム(英国仕様)

インフォテインメント・システムは最新式で、テスラ風の縦に長い11.9インチ・タッチモニターがダッシュボード中央に据えられる。音声認識機能もアップデートされ、自然な対話が可能。コネクティビティも充実し、無線でソフトウエアの更新もできる。

一方で、エアコンなどに個別のインターフェイスはなく、殆どの車載機能の操作はタッチモニターを介すことになるが、最も直感的にデザインされたシステムとはいえない。簡単な目的でも、タップやスワイプを複数回はする必要がある。

タッチモニターが大きく寝かされているため、助手席側から差し込む陽光を反射し、ドライバーが眩しく感じることもあった。筆者は、BMWとジャガーのシステムの方が良いと感じた。

車内の実用性は互角。ジャガーがリアシートは一番広く、荷室容量も10%ほど大きい。そのかわりボディも大きく、全長は4962mmとCクラスより150mmほど長い。

記事に関わった人々

  • マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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