社会人1年目、ポルシェを買う。

2018.10.14

第78話:ポルシェ356ホリディ2018 in 甲府に参加して。

コンクールとはこういうものか!

常磐ホテルに続々とポルシェ356が集まる。
今年のエントリー台数は356だけで61台。

集合した参加者はホテルから15分ほどかけて
舞鶴城公園に向かい、広場にクルマを並べた。

まず度肝を抜かれたのが「コンクール」だ。
審査員がコンクール出品車を見て回るので
今回は(勝手に)くっついてまわり、
一体どんなところを審査しているのかを見学した。

審査基準は「当時の状態にどれほど忠実であるか」
はっとするほど美しいコンディションのクルマでも
たとえばフロントフードのパッキンの繋ぎ目の位置
エンジン内の小さなパーツのデカールの角度のほか
バンパー裏の刻印やツール入れの色にいたるまで
事細かくチェックしていく。
見ているこちらさえ冷や汗がでてくる。

もちろん自分好みのスタイルにすることや、
年季の入った(でも愛されていることがわかる)
クルマの乗り方も僕自身は好むけれど、
コンクールの世界を興味深く覗いた興奮とともに
優れたクルマを良い状態で残し、継承することへの
一切の妥協を許さぬ魂を感じた。

余談だが、僕のなかで素敵だなぁと思ったのは
こちらの55年式356Aスピードスター。

今回のコンクールに出品しなかったけれど
かつてのコンクールでは勝利をおさめている。
今回だって出品すれば勝っていたに違いない。
けれど出品しなかったのは
「わたしはもう勝ちましたから。
 できるかぎり皆さんにチャンスをお譲りしたい」
温泉で隣同士で洗いながらそれを聞き、感激した。

AUTOCAR JAPAN 編集部 上野太朗

1991年生まれ。親が買ってくれた玩具はミニカー、ゲームはレース系、書籍は自動車関連、週末は父のサーキット走行のタイム計測という、いわばエリート・コース(?)を歩む。学生時代はフィアット・バルケッタ→ボルボ940エステート→アルファ・ロメオ・スパイダー(916)→トヨタ86→アルファ・ロメオ156(V6)→マツダ・ロードスター(NC)→VWゴルフGTIにありったけのお金を溶かした。ある日突然、編集長から「遊びにこない?」の電話。現職に至る。