クルマ漬けの毎日から

2023.12.23

スティーブ・クロプリー(AUTOCAR英国版編集長)が取材を通して見た2023年を、写真とともに振り返ります。前編では、1月から6月までをお届けします。

取材を通して見た「2023年」前編【クロプリー編集長コラム】

もくじ

来年のEV販売、どうなる?
2月 名デザイナー ピーター・ホーバリー
5月 新EVチャージャー

translation:Kaoru Kojima(小島 薫)

来年のEV販売、どうなる?

2023年もあとわずか。毎年この時期になると、その年がどれほど特別な年であったかを私たちは口にする。そしてEV化に向けて特急列車のように世の中が進んでいることに目を向けると、今年もまさに特別な年であった。

私が今年春に選んだベストEVは「BMW i4 eドライブ40 Mスポーツ」だ。

しかし、来年私たちはさらに波乱に満ちた1年に直面するだろう。2024年に見込まれているクルマの改良の規模と内容は非常に大きい。しかしその一方で、BEVの販売は決して容易ではない。

イギリス政府は、来年(2024年)のBEVの販売率は新車販売全体の22%に達しなければならないとしている。だが、現在イギリス市場におけるBEV販売率は、まだ約17%である。

私が9月に試乗したのが「EV9」キアの新型旗艦モデルだ。

しかし、たとえ自動車メーカーにとって厳しい時代であるとしても、私たちクルマ好きにとっては今は素晴らしい時だ。自動車業界がこれほどまでに伝統的な手法を破り、プロダクトをより魅力的にしようとしている時代はこれまでなかった。

また、私たち消費者が自動車ディーラーにこれほど熱心に買い替えを期待されたこともなかった。来年は自動車販売に劇的な出来事が起きるにちがいない。とはいえ、優れた未来学者でさえ、それがどのようなことかは明言できない。さあ、いったい何が起きるか一緒に見守ろう。

1月 ブルックランズの元旦

私が考えつく限りで、1年をスタートするもっとも素晴らしい方法は、ブルックランズ(世界最古のサーキットの跡地/英国サリー州)へ向かい、毎年元日に開催される「クラシックカー・デー」に参加すること。

サーフボードを載せたこの特別なシトロエンCXのワゴンは、マクラーレンやメトロと調和して、今年もっとも多様性が感じられるラインナップをつくり出し、参加者の注目を集めていた。もし新年の楽しいイベントをお探しなら、ブルックランズの元旦イベントをぜひおすすめしたい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。
 
 

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