ルノー 最上級クーペSUV「ラファール」発表 300psのハイブリッド四駆も

公開 : 2023.06.20 06:25

ルノー・ラファールが欧州で発表されました。Dセグメントに属するフラッグシップのクーペSUVで、ドライビング・ダイナミクスを重視しているとのこと。フランスでは来年春に発売予定です。

走りを重視したドライバーズカー

ルノーは6月18日、新型のクーペSUVとしてラファールを発表した。欧州Dセグメントの大型モデルであり、「ドライビング・プレジャーのために生まれ育ったクルマ」と謳われている。

英国では、まず最高出力200psのハイブリッド、前輪駆動車が発売され、300psの四輪駆動バージョンも予定されている。

ルノー・ラファール
ルノー・ラファール    ルノー

車名の「ラファール(Refale)」はフランス語で「疾風」という意味があり、フランスが開発した多用途戦闘機と同じ名称である。同車は18日に開幕したパリ航空ショーで発表された。

ルノーはモデルラインナップの刷新を進めており、メガーヌアルカナ、オーストラルといったCセグメントを強化し、続いて欧州全体の自動車販売の15%を占めるというDセグメントに着手している。

新型ラファールはCMF-CDプラットフォームを使用している。サイズは全長4.7m、全高1.61mとDセグメントの中心に位置し、ホイールベースは2.74mとこのクラスとしては長めである。

新しいフロントグリル、強調されたフェンダー、長いファストバックルーフが特徴で、後部座席のヘッドルームに余裕を持たせながら、エアロダイナミクスに効果的とされる17度の角度をつけている。

1.2Lハイブリッド搭載 PHEV

ラファールには、オーストラルやエスパスといった兄弟車で実績のある最高出力200psのクラッチレス・ハイブリッドパワートレインが導入される。

130psの1.2L 3気筒アトキンソンサイクルエンジンは、ファイナルドライブと一体化した4速ATを介して前輪を駆動する。エンジンとメイントランスミッションの間には、68psの電気モーター(2速ドッグクラッチを内蔵)が挟み込まれている。

ルノー・ラファール
ルノー・ラファール    ルノー

ガソリンエンジンを始動させるスターター/ジェネレーターも備わっており、惰性走行や減速時にエネルギーを回収し、必要に応じて加速をアシストすることができる。

電子制御されたこのパワートレインは、常に電気のみで始動するためクラッチが不要で、2速ドッグクラッチのかみ合わせは電気モーターによって管理されている。運転席の下には2kWhのバッテリーがあり、短距離の電気走行が可能だ。

性能に関する数値は発表されていないが、ルノーはラファールの車両重量を「1600kgから」と見積もっているため、同等のパワーを持つオーストラルに近いものになるはずだ。

最高出力300psの四輪駆動モデルでは、リアディファレンシャルに別の電気モーターを使用した電動式リアアクスルが追加される。より大きなバッテリーを搭載し、48~64kmのEV航続距離を持つプラグインハイブリッドであると考えられている。

前述の通り、オーストラルやエスパスとプラットフォームを共有しているが、フロントとリアのトレッド幅を40mm広げ、独自のスプリング、ダンパー、アンチロールバーを採用し、ドライバーズカーとして焦点を絞っているという。

ラファールが母国フランスで発売されるのは来年の春で、現在は最終的なシャシー開発が行われている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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