クルマ漬けの毎日から

2024.03.28

英国では今年もグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードが開催されます(7月11日~14日)。恒例の巨大なオブジェには、MG100周年を記念して「MGサイバースター」が登場予定です。

祝MG100周年! 今年のグッドウッド・フェスティバルで【クロプリー編集長コラム】

 

もくじ

MG 100周年
MGの遺産

translation:Kaoru Kojima(小島 薫)

MG 100周年

グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードを象徴する巨大なオブジェ。1997年以来毎回、彫刻家のジェリー・ジューダ氏が手掛けている。写真はアストンマーティンをテーマとした2019年の作品。

今年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでは、MGの100周年を盛大に祝うという興味深いニュースが発表された。また、彫刻家のジェリー・ジューダが手掛け、グッドウッドハウスの前に設置される巨大なオブジェには、MGサイバースターが組み込まれる見込みだという。

このロードスターは、車重およそ2tのEV。グッドウッドでの展示に備え、おそらくいま中国でスペシャルエディションのサイバースターが製造されているだろう。サイバースターの車重を考えると、梁をベースにつくられるジューダの作品の重さに対応できるように、グッドウッドのエンジニアたちは、リッチモンド侯爵の芝生の下に隠された精巧な基礎を強化する必要があるかもしれない。

MGの遺産

MGサイバースターは昨年のグッドウッド・フェステバル・オブ・スピードで公式デビューした。ノーズにはMGの遺産の1つ、八角形のエンブレムが。

MGの親会社である中国の上海汽車(SAIC)が、八角形のエンブレムを含め「MG」という有名で簡潔なブランドを購入したのは、どれほど賢明な行動であったかをコメントすることが、最近自動車ジャーナリストの間では流行りになっている。MGのこうした遺産はむろん、現在のMGに成功をもたらしている。

しかし、上海汽車がこの遺産の価値を認識したのは、実際にMGを手に入れてしばらく経ってからだった。数年前、北京モーターショーに取材に行った時、おかしなことに、MGとは「モダン・ジェントルマン(Modern Gentleman)」の略語であるかのように演出されていた。まるでジェイン・オースティン(イギリスの小説家/1775-1817)のTVドラマから出てきたような衣装を着たモデルたちが、MGスタンドにずらりと並んでいたのだ。

MGを代表するクルマといえば、2ドア・オープントップのMGB。MGAの後継として1962年に誕生した。

かつてのMGの遺産に対して、現在のMGはこれまで何もしてこなかった。だが、その遺産とともに今後はどのような取り組みをしていくのだろうか? この点はとても興味深い。多くの恩恵をもたらしているものを基に、未来へ進んでいく責任があることを、MGの経営陣が認識していると期待したい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。

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