【もうすぐ日本での販売終了】渡辺敏史が最後に味わう最高のパートナー、ジープ・グランドチェロキー!

公開 : 2025.03.28 17:30

視界の重要性を熟知しているジープならではの造形力

長さ5メートル級、幅が2メートル級という大柄なボディサイズが当たり前のように登場する今日のSUVカテゴリーに照らしてみれば、グランドチェロキーの車格は全長4900mm、全幅1980mmと、わずかながら小さめだ。それでもアメリカのクルマらしい押し出し感がしっかり感じられるのは、スクエアなシェイプによるところかもしれない。

その形状は運転席からの見切りの良さにも貢献していて、車寸の割にはちまちました街中での取り回しにもストレスは溜まらない。ほぼ水平のベルトラインのおかげで側方を流れる景色にも歪みや閉塞感はなく、窓を開けて路面を確認するにも差し障りはない。この辺りはオフロード走行時の視界の重要性を熟知しているジープならではの造形力といえるだろう。

それは操作系もまた然りだ。シンメトリックな造形をベースに、走行機能や音響、空調などについては必要な物理スイッチもしっかりと残したレイアウトを意識している。走りながら扱う、いざという時にアクセスする、そういう前提のもとに配慮されたものであることが伝わってくる。

車両の機能が増えていく一方でタッチパネルが一等地に居座ることになる現代のクルマでは、デザインとコストの両面から操作系をディスプレイ内に集約してしまうのが潮流だが、ジープは扱いやすさを重視しているのか、最低限のスイッチ類はわかりやすい場所に置くデザインを貫いているようにもうかがえる。

取材車は前述の通り、メカニズムや装備的にはファイナルエディションに準ずるリミテッドだが、ADASやサラウンドビューカメラなど、普段の運転をサポートする装備は十分に配されている。スピーカー9基、サブウーファー1基のアルパイン製プレミアムサウンドシステムや前席ベンチレーションなど贅沢なアイテムも標準装備だ。

ちなみにリミテッドはシートやステアリングの表皮にいわゆる合成皮革を用いるが、時代性や使い勝手の面から、むしろそちらの方が好ましいと仰せる方もいるのではないだろうか。質感的にはテカリもしっかり抑えられていて、言われなければそうとは気づかないほどだ。

ジープ・グランドチェロキー 公式サイトを見る

記事に関わった人々

  • 執筆

    渡辺敏史

    Toshifumi Watanabe

    1967年生まれ。企画室ネコにて二輪・四輪誌の編集に携わった後、自動車ライターとしてフリーに。車歴の90%以上は中古車で、今までに購入した新車はJA11型スズキ・ジムニー(フルメタルドア)、NHW10型トヨタ・プリウス(人生唯一のミズテン買い)、FD3S型マツダRX-7の3台。現在はそのRX−7と中古の996型ポルシェ911を愛用中。
  • 撮影

    内藤敬仁

    Takahito Naito

    1986年よりフリーランスカメラマンとして主に車関係の雑誌、広告の撮影に携わる。趣味は洗車。好きな音楽は1970年代のブリティッシュロック。たまにロードバイクでサイクリンロードを走って風圧と老化に抵抗したりする。

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