【もうすぐ日本での販売終了】渡辺敏史が最後に味わう最高のパートナー、ジープ・グランドチェロキー!

公開 : 2025.03.28 17:30

様々な場面での扱いやすさに配慮

2L直列4気筒直噴ターボのアウトプットは272ps/400Nmとスペック的には十分だが、排気量的にみると心細いと思われる方もいるだろう。が、これがワイドレシオの8速ATの助けも借りて、まったく過不足ない仕事をしてくれる。

キャパシティの割にはハイパワーゆえ、回せばこの巨体にしてすいすいとスピードが乗っていくが、むしろ普段遣いにはごく低回転域からきっちりとトルクを立ち上げてくれるキャラクターの方が、有り難く感じられるのではないだろうか。

ジープ・ブランドで最もヘビーデューティなオフローダーである『ラングラー』にも搭載されるエンジンゆえ、様々な場面でも扱いやすいよう配慮されている。V6も含めて、全てレギュラーガソリン指定という点もお財布的には嬉しいところだ。

四駆システムはローギアードの副変速機を備えるフルタイム4WD『クォドラトラック』を搭載。トルクで繊細に推し進める必要のあるオフロードの難所も、エンジンのアウトプットをきっちり使ってぐいぐいと力強く上り下りしてくれることは、以前の試乗機会でも確認している。

最低地上高やアプローチ&デパーチャアングルへの配慮も、数多の同級SUVとは一線を画するところだ。電子制御のアシストもきっちり機能しているが、その味付けひとつとっても性急な動きを排するという悪路の経験値が効いている。

実感として、このクルマで行けない場所に行こうというのなら、本格的なアドベンチャーとしての準備をしなければならない。そのくらいの頼もしさを携えながら、日々の生活にまつわる移動もスマートかつ快適にこなしてくれる。

グランドチェロキーは、主従を越えてパートナーとして共感できる大型犬のような存在にみえてくるのは自分だけだろうか。それはアメリカの、ジープだからこそ築ける最高の距離感といえるのかもしれない。

グランドチェロキーのファイナルエディションが登場

1993年の誕生以来、ラグジュアリーSUVの道を切り開き続けたグランドチェロキーのファイナルエディションが、100台限定で販売される。
ボディカラーはブライトホワイトが30台、バルティックグレーメタリックが70台。『1993-2025』と入る専用バッジなど、多数の特別装備にも注目だ。

『グランドチェロキー・ファイナルエディション』 詳細はこちら

ジープ・グランドチェロキー 公式サイトを見る

記事に関わった人々

  • 執筆

    渡辺敏史

    Toshifumi Watanabe

    1967年生まれ。企画室ネコにて二輪・四輪誌の編集に携わった後、自動車ライターとしてフリーに。車歴の90%以上は中古車で、今までに購入した新車はJA11型スズキ・ジムニー(フルメタルドア)、NHW10型トヨタ・プリウス(人生唯一のミズテン買い)、FD3S型マツダRX-7の3台。現在はそのRX−7と中古の996型ポルシェ911を愛用中。
  • 撮影

    内藤敬仁

    Takahito Naito

    1986年よりフリーランスカメラマンとして主に車関係の雑誌、広告の撮影に携わる。趣味は洗車。好きな音楽は1970年代のブリティッシュロック。たまにロードバイクでサイクリンロードを走って風圧と老化に抵抗したりする。

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