アルファ・ロメオ・ジュニアに登場したひとつの到達点 限定モデル『イブリダ・スポルト・スペチアーレ』が支持される最大の理由

公開 : 2026.08.28 17:00

ワインディングで実感するスポーツカーの血統

ドライブモードをD(ダイナミック)に切り替えるとステアリングの手ごたえが若干強くなり、スロットルのレスポンスも一段と鋭さを増した。

排気音とシンクロした3気筒ターボは想像以上にトルクフルだが、そのパワーの立ち上がりをモーターが積極的にアシストしてくれるので動力性能に不満はない。キレのいいDCTトランスミッションもスポーティなドライブフィールに拍車をかけている。

迫力のあるフロントマスク。ヘッドライトの印象はザガートとの共作による名車、SZの面影を感じさせる。

感心すべきは、アルファ・ロメオらしく高められた動力性能を、懐の深いシャシーがしっかりと受け止めてくれる点だった。

床下には、48Vのリチウムイオンバッテリーが搭載される。低重心かつ高剛性なボディによって気持ち良い走りを実現している。

ジュニアはステランティスのCMP2プラットフォームを使用しているのだが、床下にバッテリーを敷くBEVにも用いられる最新の基本骨格がとにかく硬い。そのおかげでステアリングへの入力が姿勢変化に正確に反映され、走りの気持ちよさにも繋がっている。

スポルト・スペチアーレでは、サイドシルの下部にシルバーのアクセントがもたらされ、ジュニアの洗練されたデザインを際立たせている。

予約してあるレストランまでの見晴らしの良いワインディングでドライビングに没頭していると、その動的質感の中に往年のアルファ・ロメオのそれを垣間見ることができた。硬いフロアとよくストロークするサスペンションという組み合わせが、そう感じさせたのであろう。

戦前のレーシングモデルに使われていた筆記体のロゴをあしらった『レジェンダ』と呼ばれるグリルデザイン。100年以上の歴史を持つアルファ・ロメオの血統を継ぐものとして威風に満ちている。

現代のエンジニアが過去のアーカイブに触れ、インスピレーションを受けることは珍しくない。過去の銘車の存在が、歴史あるブランドの強みでもあるのだ。

ジュニア・イブリダ・スポルト・スペチアーレが世界中のファンに支持される最大の理由は、作り手がその血統をよく理解しているからなのだと確信できた。

アルファ・ロメオジュニア・イブリダ・スポルト・スペチアーレ

シルバーのアクセントが洗練されたデザインを際立たせるボディキット、スタイリッシュかつスポーティなデザインのアルミホイール、上質かつ快適な⾛りを演出するアルカンターラを採⽤。価格は525万円~、全国140台限定。

アルファ・ロメオ・ジュニア・イブリダ・スポルト・スペチアーレ

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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