共通点はジウジアーロ!旧車オーナーが1週間乗ってみた(前編)【帰ってきたヒョンデ・アイオニック5長期レポート #9】

公開 : 2026.03.26 17:05

編集部では2024年夏からヒョンデのEVを長期レポート中。現在は3台目となるアイオニック5が活躍しています。今回は旧車オーナーでもあるライターの高桑秀典に、約1週間レポート車を託してみました。その前編です。

新幹線で移動しているかのような走行感覚

以前AUTOCAR JAPANの長期レポート車として活躍していた『ヒョンデコナ』を1泊2日で預かり、70kmほど走り回ってみたり、急速充電したりしてみたことがある。

驚くほど普通に使えたので、「こりゃあ足グルマとして最適だな」と思ったが、今回1週間ほど我が家にやって来たRWDの『ヒョンデ・アイオニック5ラウンジ』は、コナのあらゆるシーンでのちょうどよさとは、異なる魅力を有しているBEVだった。

筆者の1974年式アルファ・ロメオと並べると、アイオニック5は巨人的存在。
筆者の1974年式アルファ・ロメオと並べると、アイオニック5は巨人的存在。    高桑秀典

その魅力とは、高速道路で走らせると新幹線っぽい、という独特の走行感覚だ。

今回は編集部からステアリングホイールに装着されるパドルシフトの右側を長押しをすると、オートモード(前を走るクルマに接近すると自動的に減速する)になることを教えてもらっていたので、アクセルから足を離しての快適クルージングを存分に堪能してみた。

また、パドルシフト左側で回生の強さを変更できることも教えてもらったので街中で試してみたが、回生を一番強くするとアクセルペダルの踏み加減だけで、加速、減速、停止までを操作できるiペダルモードになり、普段乗っているMT仕様キャブ車のエンジンブレーキに近いフィーリングだったので、これはコレで乗りやすかった。

街中ではちょっとだけ大きい

アイオニック5は全長が4655mmなのにホイールベースが3000mmもあって、これが新幹線っぽいと感じる乗り心地のよさを生み出しているようだ。ロングホイールベースによる恩恵で室内空間がビックリするほど広くなっており、居心地もすこぶるいい。

そんな感じの褒め言葉を並べると、コナと同じようにアイオニック5も足グルマとして最高なんじゃないの? と思うかもしれないが、1890mmという全幅が筆者の中でネックになった。

アイオニック5は全長4655mmに対し、ホイールベースは3000mmもある。
アイオニック5は全長4655mmに対し、ホイールベースは3000mmもある。    高桑秀典

クルマのボディが大きくなった今となっては1890mmの全幅は一般的だといえるが、やはり、街中で使うとちょっとだけ大きいのだ。

コナの全長は4355mmで、全幅は1825mmなのでアイオニック5よりもほんの少しコンパクトなだけだが、数センチ小さいことによって駐車できたり、狭い道路ですれ違えたりできるので、筆者の使用環境ではコナのほうが使いやすいのであった。

ジウジアーロ・デザインのポニー・クーペに思いを馳せて

世界的に有名な工業デザイナーのひとりであるジョルジェット・ジウジアーロは、ヒョンデのデザインも手がけてきた。

1974年のトリノ・モーターショーで発表された『ポニー・クーペ』は、自ら設立したイタルデザインでのキャリアをスタートさせたばかりだった若きジウジアーロの作品で、グローバル市場向けに開発されたコンセプトカーであった。量産には至らなかったが、ポニー・クーペは今でもヒョンデ・ブランドのアイコンとなっている。

2019年にフランクフルトで発表された『ヒョンデ45コンセプト』。
2019年にフランクフルトで発表された『ヒョンデ45コンセプト』。    ヒョンデ

ポニー・クーペのスタイルは、アメリカのSF映画においてタイムマシンとして活躍したデロリアン DMC12のルーツとなり、2019年に開催されたフランクフルト・モーターショーで発表されたEV専用モデル、『ヒョンデ45コンセプト』につながった。

ヒョンデ45という車名は、45年前に登場したポニー・クーペのオマージュであることを意味しており(前後ガラスの傾斜角が45度であることも関係している)、ヒョンデは過去からインスピレーションを受け、未来へと進んでいった。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    高桑秀典

    Hidenori Takakuwa

    1971年生まれ。デジタルカメラの性能が著しく向上したことにより、自ら写真まで撮影するようになったが、本業はフリーランスのライター兼エディター。ミニチュアカーと旧車に深い愛情を注いでおり、1974年式アルファ・ロメオGT1600ジュニアを1998年から愛用中(ボディカラーは水色)。2児の父。往年の日産車も大好きなので、長男の名は「国光」。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

ヒョンデ長期レポートの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事