『左ハンドル+マニュアルのイタリア車』しか買ったことのない話(後編)【日本版編集長コラム#96】

公開 : 2026.08.23 12:05

AUTOCAR JAPAN編集長ヒライによる、『日本版編集長コラム』です。最近乗ったクルマの話、取材を通じて思ったことなどを、わりとストレートに語ります。第96回は『左ハンドル+マニュアルのイタリア車』の話、その後編です。

翌朝どうなったかと言えば

これまでフィアット・ウーノ・ターボ、同バルケッタランチア・デルタ・インテグラーレ16V、同イプシロン・モモデザインという、『左ハンドル+マニュアルのイタリア車』しか購入したことがない、というのが前回のお話。

2006年に新車で購入したイプシロンは今年でちょうど20年となるが、2年前に都内から静岡県東部に移住してからはほとんど乗らなくなっていた。そして2ヵ月前にバッテリーを充電したのが最後で、前回の原稿はそこで終わっていたのだが、翌朝(つまりこれを書いている今)どうなったかと言えば、またバッテリーが完全に空になっていた。正月に続き、今年2回目である(涙)。

以前ガレーヂ伊太利屋が所有していたランチア・アプリリアとの2ショット。こう並べると、同じ系譜にある上品さが感じられる(2016年撮影)。
以前ガレーヂ伊太利屋が所有していたランチア・アプリリアとの2ショット。こう並べると、同じ系譜にある上品さが感じられる(2016年撮影)。    平井大介

今はシーテックのバッテリーチャージャー&メンテナーを繋いで充電しているのだが、正月に空になった時に「バッテリーは交換したほうがいい」と旧車乗りの知人からアドバイスを受けていたので、さすがに今回は……と思っている。

さて、なぜこれまで『左ハンドル+マニュアルのイタリア車』しか購入してこなかったのか。振り返ると、その全てはひと目惚れに近い形で購入していることに気がついた。

最初のウーノ・ターボは、シトロエンAXを購入するつもりで訪れたショップで隣にあった個体だし、バルケッタはそのスタイルと色に惚れたからで、デルタとイプシロンは取材で乗って欲しくなった結果だ。

好きなところは、圧倒的にデザインとセンス

元々イタリアという国が好きで、大学時代にはイタリア料理店でアルバイトをし、ひとり暮らしの部屋には(こうして文字にするのは恥ずかしいのだが)大きなイタリアの国旗を掲げていたほど。

イタリア車の好きなところは、圧倒的にデザインだ。ただ美しいのではなく、人を惹きつけ、心の琴線に触れる部分を必ず持っている。これだけで所有する理由になり得るが、それと同じくらい好きなのが、運転の楽しさだ。

イタリア車の基本、『フィアット・ヌォーヴァ500』。
イタリア車の基本、『フィアット・ヌォーヴァ500』。    フィアット

例えるならば多くのイタリア車において、エンジンの回転が高まる周波数とこちらの心拍数が高まる周波数がリンクしているかのようなのだ。それはランボルギーニフェラーリのようなスーパーカーから、フィアット500のようなコンパクトカーまで速度域に差はあれど、愉しさの種類が同じなのである。

以前イタリア車乗りの知人から、往年の『フィアット・ヌォーヴァ500』こそがイタリア車の基本だと教わったことがある。現代の路上では明らかに非力だが、マニュアルを駆使してクルマの流れに乗れるスムーズなドライブをすることができれば、どんなイタリア車でも、上手く走らせることができるというのだ。

つまりイタリア車乗りであれば、一度はヌォーヴァ500を所有してその基本を学ぶべしという話で、別のイタリア車乗りの先輩は、アウトビアンキA112ジュニアで似たような体験をさせてくれたこともあった。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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