ジープ・コンパス、誰のためのクルマなのか? 藤島知子が2つのグレードを試乗

公開 : 2022.04.22 17:50

FFと4WDから選べる

ジープ・コンパスには前輪駆動(FF)と四輪駆動(4WD)の2種類の駆動方式が用意されている。

今回はFFの「ロンジチュード」と4WDの「リミテッド」を乗り比べる貴重な機会を得た。

基本的には両者ともにエンジンはレギュラー仕様で最高出力172ps、最大トルク23.4kg-mを発揮する直列4気筒2.4Lのマルチエアエンジンを搭載。FFモデルの車両重量は4WDのリミテッドと比べて110kgほど軽い。

こちらは6速ATと組み合わされており、軽い踏み込みでリズミカルに駆け出したかと思うと、エンジン回転の高まりとともに、伸びやかに気持ちよくパワーを発揮してくれる。

足元には17インチホイールを履いている(リミテッドは18インチ)。カーブでは慣性に振り回されにくい素直な動きと軽快な身のこなしがクルマと息を合わせて走る楽しみを与えてくれる。

優しいタッチの乗り味はしなやかにカジュアルに向き合えるが快適性をもたらしてくれた。

一方で、リミテッドの4WDの9速ATが組み合わされているため、高速域では低いエンジン回転で流せたり、登り坂で余裕をもって駆け上がることもできる。

何より、安定した姿勢で路面を捉えながら走る様はジープらしい構えだと感じた。

ガッチリ作り込まれたボディはマンホールを乗り越える時にブルつかず、頼もしいのだ。

コンパスはルックスこそジープの中では都会派に映るが、4WDは本格的な悪路走破を叶えることも忘れていない。

走行モードはSAND/MUD、SNOW、AUTOの3種類から選べるほか、本格オフローダーに備わる4WDのLOW/ROCKモードで悪路を突き進む仕組みを持ち合わせていたり、滑りやすい急勾配での走りをフォローするヒルディセント・コントロールもついてくる。

最上位グレードに本格的な悪路走破性を与え、ジープらしさを披露するあたりがニクい。

普段は都会派、それでいて、休日は思い切りレジャーを満喫したくなる冒険心を掻き立ててくれるあたりがいい。

ジープ・コンパス 公式サイトをみる

記事に関わった人々

  • 執筆

    藤島知子

    Tomoko Fujishima

    クルマ関連情報を走り好き目線と女性視点を交えながら紹介。テレビ神奈川の新車情報番組「クルマでいこう!」ではお茶の間の幅広い世代に向けて魅力を発信中。2002年よりモータースポーツに参戦、2021年はKYOJO-CUPやスーパー耐久でドライバーとして奮闘。日本自動車ジャーナリスト協会会員。2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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