取材車への最大限の褒め言葉

2025年最後のコラムということで、試しに今年試乗したクルマを数えたところ、72台（！）もあった。

これには撮影の時に少し動かしたなどのチョイ乗りは含んでおらず、あくまで試乗として向き合った台数となる。中には複数回試乗したクルマもあるが、2回乗っても1台と数えることにした。

また、発表会や撮影会のような試乗していないクルマを含めると、1年で100台以上は取材していることになる。多くの機会を頂けたことを、この場をお借りして感謝申し上げたい。

今回はふと思い立って、この72台の中から『一番乗り逃げしたかったクルマ』を選んでみることにした。『乗り逃げしたい』という言葉は、昔よく見ていた『カーグラフィックTV』で松任谷正隆さんがよく使われていた表現で、取材車への最大限の褒め言葉としてたびたび拝借させて頂いている。

ここで大前提として今回はあくまで好みの話で、クルマの優劣ではないことを強調しておきたい。その上で、まずは直感で『これはよかったなぁ～』と思ったクルマを選んだところ、17台もあった。

そこからまだ記事にしていないものを省き、同じブランドで複数台あるものは1台とすることで10台に絞った。それが以下の車両だ（50音順）。

ジャガーFタイプ
スズキ・スイフト
フィアット600ハイブリッド
ボルボEX30
ホンダ・プレリュード
マクラーレン・アルトゥーラ
マツダ・ロードスターRF
ランチア・イプシロン
ルノー・カングー
ロータス・エミーラ

こうなるとここから一番を選ぶのは至難の業で、採点方式を使用しランキング化することにした。具体的には、1：スタイル（カッコイイか）、2：ファン（乗って楽しいか）、3：感心（ぐっとくるポイントがあるか）を各5段階で採点。点数に差が出るように、5、4、3、2、1点を必ず2台ずつ配分することにした。

というわけで、筆者が独断と偏見で選ぶ『乗り逃げしたかったクルマ2025』を順に紹介していこう。繰り返すが、あくまで好みの話であることをご容赦頂きたい。

10位：スズキ・スイフト

6点（スタイル２/ファン3/感心1）

中間グレードである『ハイブリッドMX』に用意されている2WDの5速MTに乗ったが、これが予想以上の楽しさ！　日程的にちょうど箱根へ行く試乗コースもあり、そこですっかり感動。ファンは5点でもよかったくらいだ。価格200万円切りで、コスパという項目が入っていたら間違いなく1位だった。エンスー一家に一台！

画像　最初に乗ったら1位になっていた？5L V8のフィールに感動！ジャガーFタイプ　全41枚