これは乗り逃げしたかった!独断と偏見で選ぶ2025年の10台【日本版編集長コラム#62後編】

公開 : 2025.12.28 17:10

AUTOCAR JAPAN編集長ヒライによる、『日本版編集長コラム』です。最近乗ったクルマの話、取材を通じて思ったことなどを、わりとストレートに語ります。第62回は独断と偏見で『2025年に乗り逃げしたかったクルマ』をセレクト。その後編です。

前編で紹介した5~10位

2025年に試乗した72台の中から、『乗り逃げしたかったクルマ』を筆者の独断と偏見で選んでいる。

前編で紹介した5~10位は以下のとおり。

今回は2025年に試乗した72台から『一番乗り逃げしたかったクルマ』をセレクトする。
今回は2025年に試乗した72台から『一番乗り逃げしたかったクルマ』をセレクトする。    平井大介

10位スズキスイフト
9位マツダロードスターRF
7位ボルボEX30
7位ジャガーFタイプ
5位ルノーカングー
5位マクラーレンアルトゥーラ

3位:ロータスエミーラ

10点(スタイル4/ファン4/感心2)

続いては同率3位となったロータス・エミーラで、これまたしっかりと試乗したのは初めて。いずれも4気筒ターボのファーストエディションとターボSEを別日に乗ることができた。2回とも思ったのは、「このスポーツカー好きだなぁ」ということ。精神的に路面との距離が近いのは実にロータスのスポーツカーらしく、これが失われつつあるのは自動車業界の大きな損失だ。最後の内燃機関として1台だけ選ぶなら、確実に有力候補になる。

3位:ロータス・エミーラ
3位:ロータス・エミーラ    平井大介

3位:フィアット600ハイブリッド

10点(スタイル5/ファン2/感心3)

これは前回のコラムでも取り上げたので、記憶が新しいのも順位に影響したとは思いつつ、やはりそのスタイリングは素晴らしい。クラシックの600や500のDNAを踏襲しつつ、現代の500からの流れもしっかりと受けており、まさにイタリアンデザインの面目躍如だ。ハイブリッドの走りもなかなかで、このパワートレインは名機の予感。1位でもおかしくないほど気に入っている。

3位:フィアット600ハイブリッド
3位:フィアット600ハイブリッド    平井大介

2位:ホンダプレリュード

11点(スタイル1/ファン5/感心5)

これはまず試乗コースがよかった。御殿場から東名高速、新東名高速、伊豆縦貫道を抜けて、国道1号線で箱根方面へ駆け上がり、芦ノ湖スカイラインを抜け、御殿場へ戻るというもの。とにかくよく曲がり、中間加速も気持ちよく、ホンダが未来のハイブリッドスポーツを本気で目指したのがよくわかる。プレリュードという車名からイメージするよりもずっと楽しいスポーツカーで、だからかイマイチ世間に伝わっていない気がするのが惜しい。スタイルは乗ったあとにじわじわとカッコよく見えてきた。

2位:ホンダ・プレリュード
2位:ホンダ・プレリュード    平井大介

番外:ホンダN-ONE e:

ホンダから2台入ったので散々悩んだあげく外したが、AUTOCAR JAPAN編集長という立場で真剣に評価すると、軽自動車のEVとして登場したN-ONE e:は今年のナンバーワンカーだと思っている。

まだまだ補助金頼りでユーザー側のメリットが足りないEVは、普及に時間がかかっている。その一方で、EVであることアドバンテージを活かして自然に溶け込んでいるクルマも増えてきた。前出のボルボEX30やアウディA6 eトロン、そしてこのN-ONE e:も同様だ。

番外:ホンダN-ONE e:
番外:ホンダN-ONE e:    平井大介

一番いいのは肩肘が張っていないこと。ターゲットが女性ということもあり、例えば男性ドライバーが好みそうなパドルシフトなど、一度でも違和感を覚えると一生使ってもらえない機能は省くなど、街中での自然な走りを目指している。

自宅に200Vの充電環境を持つ静岡県東部在住の筆者は、近所で乗るコミューターとしてかなり魅力的に感じている。このカテゴリーはBYDからも強力なモデルが登場予定で、2026年はかなりホットな市場になりそう。N-ONE e:をベースとしたホットモデル、『スーパーワン』のデビューも楽しみだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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