ジープ新型『コンパス』発表 デザイン一新、全長4.5mへ大型化 航続距離650kmのEVモデルも導入
公開 : 2025.05.08 06:45
ジープは第3世代となる新型『コンパス』を発表しました。全長とホイールベースが延長され、車内空間も拡大。MHEVやPHEV、EVが用意されており、四輪駆動モデルは高いオフロード性能を誇ります。
人気SUVがフルモデルチェンジ
ジープは、第3世代となる新型『コンパス』を発表した。大胆な新デザイン、高級感のあるキャビン、そして初めてEVモデルも導入された。
コンパスは2006年の初代の発売以来、世界中で250万台以上を売り上げている人気モデルだ。ジープの欧州部門責任者であるファビオ・カトーネ氏は、今回登場した最新世代について、「ジープの成長を牽引する重要なモデルになる」と期待を込める。

欧州ではオーダー受付中で、納車開始は秋を予定している。コンパスが属するC-SUVセグメントは、同地域における市場シェア全体の約4分の1を占め、2026年末までに90%が電動化されると予想されている。新型の投入はジープのシェア拡大に大きく貢献するだろう。
新型コンパスは、最新のシトロエンC5エアクロスやプジョー3008と同じSTLAミディアム・プラットフォームをベースに開発されている。しかし、ジープによると、このクラスで「最も有能」なクルマを目指し、特にオフロード性能を重視して設計されたという。
そのため、他ブランドの兄弟車よりもサスペンションが高くセットされ、最低地上高は200mm、最大渡河能力は470mmとなっている。また、前後オーバーハングを短縮し、アプローチアングル20度、ブレイクオーバーアングル15度、デパーチャーアングル26度を実現。全グレードに、さまざまな地形に対応したドライブモードが搭載されている。
全長4548mmと、先代モデルよりも150mm長くなったが、このプラットフォームを採用したモデルとしては短い部類に入る。ホイールベースは2795mmと、159mmも延長され、後部座席のレッグルームが55mm広くなった。
ミニマルだが存在感のあるデザイン
外観的にも先代モデルとはほとんど共通点がなく、小型のアベンジャーから影響を受け、ジープの伝統をさりげなく取り入れたデザインとなっている。
このデザインは、イタリアのトリノに拠点を置くデザイン部門が主導しつつ、世界各地のスタジオが共同で手掛けた。

ステランティスのデザイン責任者、ラルフ・ギレス氏はAUTOCARの取材に対し、「トリノは、欧州のライフスタイルを象徴する都市の1つです。人々が駐車したり、物を踏んだりする様子は、まさに都会のジャングルそのものです。そのため、森で機能するものは都市でも機能します」と語っている。
同氏は「コンパスのようなアイコンを再設計する機会は滅多にありません」と付け加え、競争の激しいセグメントでモデルを際立たせる必要性を強調した。「数年前、コンパクトSUVはほとんど存在せず、ジープが唯一の選択肢でした。当然、多くの競合が参入し、わたし達を模倣していきました」
その点を踏まえ、ギルス氏がデザイン部門に出した指示は「タフで大胆に、しかし同時に『デトックス』効果も実現すること」というものだった。
新型コンパスでは、環境への配慮と見た目を「クリーン」にするために、クロームパーツを一切使用していない。全体的に以前よりボリューム感をもたせながら、ミニマルなデザインに仕上げている。
新しいフロントフェイスについて、ギルス氏は「ジープの新型車を開発する上で最も難しい部分の1つ」と語った。
インテリアも刷新され、10.0インチのデジタルメータークラスター、16.0インチのタッチスクリーン、その他数多くのタッチコントロールを採用した。






















