「たのしいクルマ」の定義とは? 必須条件と、その模範解答

2017.09.10

まだまだある、必須条件

さらに重さ。車重1トンの300psのクルマは、車重2トンの600psのクルマと同じパワーウエイトレシオを持ち、加速などの動力性能はほぼ同等と言える。この時、どちらのクルマを運転したいと思うだろうか。

最高出力が高いほど速く加速することは可能だが、軽量化は加速だけでなく、路上で感じるクルマの印象の大きく左右する要素となる。

グリップ力はどうだろう。自動車メーカーがクルマの魅力として可能な限り高いグリップ力を提供するべく努力している点は、少し不思議でもある。

もちろんグリップが弱過ぎるとスピードをだすこともできないのだが、「適度であること」が重要だと思う。そのバランスは、これらの悩ましい要素の中でも非常に重要な項目になる。

アンダーステア傾向が強すぎるクルマは退屈だし、オーバーステアの傾向が強すぎるクルマは危険度が増す。ドリフト走行を好むようなひとでも、通常は曲げた分だけ曲がるクルマが望まれるはずだ。

実用性も実は不可欠な要素だ。クルマには様々な趣味の道具を積むこともできるし、夜通し走って好きな場所にも行ける。

あるいは、理想的なコンディションでない限り運転したくないというひとも中にはいるだろう。旅行に行けないようなクルマって、楽しいだろうか。

乗り心地もクルマの楽しさとは深い関係性がある。不快であることは、楽しさを阻害するに違いない。もし乗り心地が硬すぎれば、路面の起伏を逐一拾い安定性は悪化し、楽しさとは程遠いものになってしまうだろう。

そして、駆動輪とエンジンの搭載位置、マニュアルかATかなど、ドライブトレインという重要な要素がある。電動パワーステアリングの感触は、油圧式と比較される要素だ。

また、運転席からの視認性は、運転を楽しむ上で欠かせない。排気音はどうだろう。そして、馬力よりもトルクの方が運動性能という点では大切になってくる。

頭の中でこれらの複雑な要素を組み合わせて考えてみると、1台のクルマをすぐにわたしは思い浮かべだ。

 
最新試乗記