トヨタ、なぜEVではなくハイブリッドにこだわる? マツダ資本提携で変化も

公開 : 2017.08.11 11:40  更新 : 2017.12.14 14:42

よくよく考えてみると、なぜ? と思うことがあります。たとえばトヨタ。どうしてEVになかなかシフトせず、ハイブリッドにこだわるのでしょう? 車両電動化にくわしい、(そして元レーサーの)桃田健史さんに考察してもらいました。

text:Kenji Momota(桃田健史)
photo:Kenji Momota(桃田健史)&トヨタ

もくじ

プリウス誕生20年
プラグインハイブリッドでの「誤算」
4代目プリウスの「覚悟」
トヨタのEV戦略、どうなる?

プリウス誕生20年

いまから20年前、2017年の街中でこれほど多くのプリウスが走っている光景を、誰が予想できただろうか。

なぜならば、1997年に登場したプリウスは、一気に人気が出るような雰囲気ではない、「風変りなクルマ」だったからだ。

初代プリウスの開発が始まったのは、今から24年前の1993年。プロジェクトを任されたのは、現在はトヨタ自動車の会長職にある内山田竹志氏だ。

「21世紀のクルマを造ることが、プリウスの目的でした」と、当時を振り返る。

まだ「エコカー」という言葉が一般的ではなかった時代。トヨタが目指したのは、21世紀の環境問題。それを解決するための、圧倒的な燃費の良さだった。

だが、90年代当時のトヨタ社内では、アメリカを中心とした世界市場での販売拡大、日本国内の販売攻勢がセダンからミニバンへと変調したことへの対応など、目の前の商売に対する意識が先行しており、巨額の開発費用を必要とした内山田氏が率いるプリウスプロジェクトへの風当たりは強かったという。

4年間の開発期間を経て市場導入された初代プリウスは、月販目標1000台というかなりコンサバなスタートを切った。しかし、トヨタ側の心配をよそに、市場からの要求は徐々に増え続けていった。

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