国内試乗

2017.10.10

マツダ「SKYACTIV-X」なぜ注目? 新プラットフォームも検証 試乗記

マツダ・アクセラ・プロトタイプ

テスト日 : 2017年10月07日

文・佐野弘宗 撮影・マツダ 

[編集部より]

マツダの「SKYACTIV-X」。注目はかなりのものですが、さて、なにがそんなにすごいのでしょう。国内でプロトタイプに試乗する機会を得ましたので、ここで1度、勉強してみませんか?

もくじ

どんなクルマ?
スカイアクティブX いったい何物か
2.0ℓで190ps/23.5kg-mめざす

どんな感じ?
まだまだ開発「進行中」 ポテンシャルあり

どんなクルマ?

スカイアクティブX いったい何物か

このマットグレーのマツダは外観こそ見慣れたアクセラそのものだが、その中身はエンジン、プラットフォームとも、2019年の発売を目指して開発中の新世代Cセグメント(おそらく次期アクセラ)のプロトタイプなのだという。同プロトタイプの初乗りレポートはすでに欧州からお送りしているが、今回は日本国内のテストコースでの試乗である。

次世代マツダ最大のトピックといえば、世界初の実用化となりそうな自己着火(圧縮着火)ガソリンエンジンの「スカイアクティブX」である。

自己着火ガソリンエンジンは一般的に「HCCI(Homogeneous-Charge Compression Ignition)」と呼ばれている。その名のとおり、通常のガソリンエンジンと同じように、あらかじめ燃料と空気を混ぜ合わせた混合気を吸い込ませる点が、同じ自己着火エンジンでも、空気だけを吸って筒内に燃料を噴射する直噴ディーゼルとのちがいだ。

HCCIの術内容はそれこそ本の1冊も書けるほど複雑&高度なものだが、その利点をおおざっぱにいうと、空燃比30以上(理論空燃比は14.7)という超希薄燃焼が可能になることと、均等な混合気を燃やすために燃焼室内で同時多発的に着火して一気に急速燃焼するところにある。

希薄燃焼だから燃費がよく、急速燃焼なので燃焼温度が低い。燃焼温度が低いと、NOxは発生しにくくなる。この燃費と排ガス浄化という一石二鳥の利点をもつところが、HCCIが究極の内燃機関といわれている理由だ。

ただ、自己着火……しかも同時多発急速燃焼とは、いわば「ノッキング」と同じ現象であり、それを思いどおりに制御するのは非常にむずかしい。そこがHCCIの実用化を妨げてきた最大の要因である。

マツダのスカイアクティブXは点火用のスパークプラグをもつ。つまり、純粋なHCCIではない。自己着火なのに……とお思いだろうが、このスパークプラグを使った「SPCCI(SPark-Controlled Compression Ignition)」をモノにしたところが、マツダが早期に自己着火ガソリンエンジンを実用化できた最大のキモである。

スカイアクティブXでのスパークプラグはたしかに燃焼のキッカケとなるが、そこを唯一の着火点として燃え広がるのではない。その火炎球によって燃焼室内の圧力をコントロールして、多発燃焼を誘発することに重きが置かれている。

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