「F1より速い」新型ハイパーカー、レッドブル『RB17』完成間近 1200psのV10ハイブリッド 2028年までに50台限定生産

公開 : 2026.05.07 17:25

エイドリアン・ニューウェイ氏が設計したレッドブルの新型ハイパーカー『RB17』の1号車がまもなく完成予定です。数週間以内にサーキットでのテスト走行を開始する予定で、車両価格は500万ポンド(約10億円)。

車両価格は約10億円から

レッドブル・アドバンスド・テクノロジーズは、エイドリアン・ニューウェイ氏設計の新型ハイパーカー『RB17』の第1号車が組み立ての最終段階に入ったと発表した。来春に発売し、2年かけて50台を生産する予定で、価格は500万ポンド(約10億円)とされる。

サーキットでのテストおよび開発セッションも「数週間以内」に開始される予定だ。

レッドブルRB17
レッドブルRB17

AUTOCARは、同プログラムの責任者であり、レッドブルF1デザイナーからRB17のテクニカルディレクターに転身したロブ・グレイ氏に単独インタビューを実施。完成間近の第1号車とコスワース製V10エンジン、エクストラック製ハイブリッドトランスミッションを視察させていただいた。

RB17は、英国ミルトン・キーンズにあるレッドブルの敷地内の巨大な旧倉庫で生産されている。この施設の一端にはRB17専用の生産施設が、もう一端にはレッドブル・レーシングの新しいF1用風洞が設置されている。

RB17はサーキット専用の2シーターで、フルカーボンファイバー構造により重量わずか900kg、合計出力1200psを誇る。パワーの内訳はV10エンジンから1000ps、電気モーターから200ps。

現行のF1マシンよりもサーキットで速く走るよう設計されており、最近のシミュレーションでは「さまざまなサーキット」においてその性能が実証されているという。例えば、スパ・フランコルシャンでの想定ラップタイムは、現行のF1マシンより1秒ほど速い、約1分38秒だ。

「空力の天才」が生んだデザイン

写真からも分かるように、2024年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで初公開されたモデルから大幅に変更されているが、サイズ、プロポーション、主要なデザイン要素は変わっていない。

シーメンス主催の業界イベントに先立ち、レッドブル本社でAUTOCARの単独インタビューに応じたグレイ氏は、RB17を「エイドリアン氏が1年のクリスマス休暇中に暇つぶしで描いたもの」と皮肉を交えて表現した。

レッドブルRB17
レッドブルRB17

全体的なサイズはF1マシンに近い。エクステリアデザインは2023年末までにほぼ決まり、ニューウェイ氏が2025年初頭にレッドブルを離れてアストン マーティンに移籍する前に確定された。

お披露目以降の変更点としては、スリムなヘッドライト、エアスクープとエアロサーフェスの改良(F1マシンと同様の可動パーツを含む)などが挙げられる。いずれも、空力テストの結果に基づいて形作られたものだ。

特に注目すべきは、エンジンカバーを縦に走る長いスパインが追加された点だとグレイ氏は言う。そこからV10エンジンの排気口が伸び、排気ガスをリアウィングの下側に「吹き付ける」ことでダウンフォースを増大させる仕組みだ。

グレイ氏はこの特徴を「エイドリアン・ニューウェイ氏からの最後の贈り物」と呼んでいる。ニューウェイ氏が去る直前、開発後期の段階に同氏の要望で追加された要素だからだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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