【連載:清水草一の自動車ラスト・ロマン】#33 スッポン丸、それもまた自動車ロマン!

公開 : 2026.05.01 12:05

自動車はロマンだ! モータージャーナリストであり大乗フェラーリ教開祖の顔を持つ清水草一が『最後の自動車ロマン』をテーマに執筆する、隔週金曜日掲載の連載です。第33回は『スッポン丸、それもまた自動車ロマン!』を語ります。

328GTSへの思いが微妙に再燃!

前々回、前回と、元・年収300万円フェラーリ・オーナーの酒井さんと再会した話を書いたが、彼と話しているうちに、自分の328GTSへの思いが微妙に再燃した。

酒井さんは17年前、総額640万円で348スパイダーを買い、14年前に今度は300万円で348tsを買って1年後に売却。クルマを卒業した。

愛称『スッポン丸』ことフェラーリ328GTSと筆者(2021年撮影)。
愛称『スッポン丸』ことフェラーリ328GTSと筆者(2021年撮影)。    平井大介

一方、自分の328購入、売却歴はというと、このようになっている。

2008年:328GTB(青)日本仕様/総額650万円で購入→1ヵ月後に598万円で売却
2008年:328GTS(黒)EU仕様/総額598万円で購入→1年後に500万円で売却
2017年:328GTS(赤)EU仕様/総額980万円で購入→2年後に930万円で売却
2019年:328GTS(黒)EU仕様/総額1180万円で購入→保有中

そう、なぜか328だけで4回買っているのだ。一般の方は「バカじゃないの?」と思うだろうが、私としてはその時々で濃厚な理由(ボディカラー等)があり、このような仕儀となった。

現在所有している328GTS、愛称『スッポン丸』は、考えてみれば購入からすでに6年半。MYフェラーリ(合計13台)の所有期間として、最も長くなってしまった。

人間の活動は、歳とともにスカスカになる。正直、スッポン丸はすでに『持ってるだけ』に近く、いつのまにか歳月が流れたのだが、それでいいと思っている。もはやあるだけでヨシ! それもまた自動車ロマンではないだろうか。

乗らないので消耗しません!

「古いフェラーリって、持ってるだけで維持費が大変なのでは?」

そう思われるかもしれませんが、ぜんぜんそんなことはありません。なにしろ乗らないので消耗しませんから!

昨年、走行中に漏れたオイルに火がついて、あやうく全焼しかけた事件。
昨年、走行中に漏れたオイルに火がついて、あやうく全焼しかけた事件。    清水草一

それでも6年半の間に、3回、大きめの出費があった。

1回目はガソリンホースの劣化によるガソリン漏れ。修理代はわずかだったが、ついでにショックのオーバーホールを実施したので、合計約20万円。

2回目はクラッチ交換で、これは約50万円。古いフェラーリの部品は、ものすごく高騰しているのである。

そして3回目は、昨年起きた首都高での炎上事件だ。

走行中に漏れたオイルに火がついて、あやうく全焼しかけた。事件としてはハデだったが、損害は驚くほど軽微で、修理代はたったの30万円ほど! うち、漏れたオイルホースの部品代が20万円以上! ただのオイルホースなのに!

まあ、フェラーリが燃えて30万円で直ったと思えば、信じられないくらい安いですけどね。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    清水草一

    Souichi Shimizu

    1962年生まれ。慶応義塾大学卒業後、集英社で編集者して活躍した後、フリーランスのモータージャーナリストに。フェラーリの魅力を広めるべく『大乗フェラーリ教開祖』としても活動し、中古フェラーリを10台以上乗り継いでいる。多くの輸入中古車も乗り継ぎ、現在はプジョー508を所有する。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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