ポルシェ・タイカンの半額なら納得? 総合1156psのシューティングブレーク『デンツァZ9 GT EV』 息が詰まるほどの加速力

公開 : 2026.05.07 18:05

BYDの上級ブランド、デンツァが欧州へ上陸。総合1156psで高レベルの自律運転へ対応したシューティングブレークが、Z9 GT EVです。強気の価格へ見合う内容か、UK編集部が評価します。

総合1156psで高レベルの自律運転へ対応

BYDの上級ブランド、デンツァのZ9 GT EVは、従来の中国車とは少々異なる。強力なモーターと巨大なタッチモニター、自律運転機能、ゆとりあるキャビンなどを、既存ブランドより低価格に提供するスタイルと、一線を画すからだ。

Z9 GT EVのお値段は、英国やフランスでは10万ポンド(約2100万円)前後になる見込み。これは、ポルシェタイカンに並ぶ。

デンツァZ9 GT EV(欧州仕様)
デンツァZ9 GT EV(欧州仕様)

といっても、強力なモーターは積んでいる。前方に313psのユニットを1基、後方に421psのユニットを2基積み、システム総合の最高出力は1156ps。航続距離は、最近では驚くほどの数字ではないが、598kmがうたわれる。

運転支援システムも充実。レーザーを用いたセンサー、ライダーもルーフに実装され、高レベルな自律運転の準備は整っている。デンツァの上層部は、英国政府が規制を緩めることへ期待している。利用するには、ソフトのアップデートで済むとか。

タイカン・スポーツツーリスモ風の姿に広々車内

ボディは、タイカン・スポーツツーリスモ風のシューティングブレーク。従来の中国車のような、まとまりの悪さは薄まったように思う。

フロントやリアの処理に触れるべき点はなくても、サイドのプレスラインやショルダーラインはダイナミック。巨大なテールランプは、1960年代のアメリカ車のよう。印象に残る特徴がある、ともいいにくいが。

デンツァZ9 GT EV(欧州仕様)
デンツァZ9 GT EV(欧州仕様)

インテリアにはレザーがふんだんに用いられ、高級感が狙われている。後席の空間は、5180mmの全長を考えれば当然かも知れないが、かなり広い。定員は4名で、シートヒーターにベンチレーション、マッサージ機能も備わる。

タッチモニターのシステムは、アンドロイドがベース。英訳は完璧ではなく、クルマには不要なファイルマネージャーへアクセスできるなど、荒削り感を残す。ドアは電動で開閉。荷室は予想ほど広くないが、フロント側にも収納がある。

息が詰まるほどの0-100km/h加速2.7秒

1156psだから、Z9 GT EVは息が詰まるほど速い。パドルを引いてブースト・モードを起動すると、0-100km/h加速2.7秒という主張が、誇張ではないと理解できる。ただし車重は2895kgもあり、100km/hを過ぎると勢いは明確に鈍る。

この車重は、姿勢制御にも影響している。加速時には、フロントノーズが明らかに持ち上がる。ブレーキは、この運動エネルギーを受け止めるべく、カーボンセラミック・ディスクが標準。ペダルのストロークが長すぎ、1時間運転しても踏み慣れなかった。

デンツァZ9 GT EV(欧州仕様)
デンツァZ9 GT EV(欧州仕様)

サスペンションは、デュアルチャンバーのエアスプリングだが、最もハードにしても柔らかい印象。減衰力も、もう少し強めていい。路面のうねりに対し上下動が大きいうえ、深く沈む割に浮き上がりが遅い。低速域では、細かな振動も目立った。

他方、滑らかな高速道路では快適性が増す。長距離移動は余裕だろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マレー・スカリオン

    Murray Scullion

    役職:デジタル編集者
    10年以上ジャーナリストとして活動し、雑誌、新聞、ウェブサイトに寄稿してきた。現在はオンライン版AUTOCARの編集者を務めている。オースチンやフェラーリなど、1万円から1億円まで多数のクルマをレビューしてきた。F1のスター選手へのインタビュー経験もある。これまで運転した中で最高のクルマは、学生時代に買った初代マツダMX-5(ロードスター)。巨大なジャガーXJ220も大好き。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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