試乗記

2019.02.09

回顧録 歴代911比較試乗 最新は最良なのか

ポルシェ911

番外編:911の途切れた連鎖

なぜ今回の集会にタイプ996が入っていないのか、ポルシェにその理由を聞いてみたいところだ。おそらくは史上最強の過激な911だったはずのタイプ996が、なぜ今回のラインナップから漏れているのか。その答えはおそらく、作品番号996は997へと発展し、取って代わられたからだということになるはずだ。

だが、これは間違いなく弁解でしかない。何しろ両方のクルマに共通する部分は3分の1にも満たないのだ。真の理由はむしろ、製品としては失敗に終わった最初の水冷911の実態を隠蔽するためではないかとわたしは密かに思っている。

そして、おそらくこれは事実だろう。彼らは見込み違いをしでかし、コスト節減を優先して品質を軽視したエンジニアリングを行ったがために、「ポルシェの水冷フラット6エンジンは残念ながら信頼性に欠ける」という決定的な評価を下されてしまったのだ。

そのときに失われたものはいろいろあったのだが、その一方でタイプ996は、取って代わるべきタイプ993よりパワフルにして軽量でもあった。正しくメンテナンスされて保存されていた個体に乗れたなら、現在の視点でもタイプ996がどれだけ速く、そしてどれだけハンドリングにも優れていたかを知って驚かされたことだろう。

タイプ996のそうした悪評は、ユーザーの視点からすると必ずしも悪いばかりではない。おかげでこのモデルは、911としてはかなり格安に入手できるからだ。機械的な問題(主にリアのメインオイルシール関連)がしっかり修理されてさえいればじつに値頃な、量産された車種としては史上最高のスポーツカーの世界への入口となってくれるかもしれない。

 
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