AUTOCARのテストで宙を飛んでしまったクルマたち　前編

公開 : 2018.05.19 06:10

イギリス空軍の創立100周年を記念して、AUTOCARでもクルマで空を飛んだ時の写真を紹介します。わずか600kgのケーターハムから2.5tのカイエンまでが宙を舞います。超重量級のカイエンで飛んだ際にはホイールを3本も壊してしまったようです。

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イギリス空軍（RAF）は、2018年4月に創立100周年をむかえた。世界ではじめて空軍として独立したのがRAFだった。ほかの国々では、長きにわたり空軍は陸軍や海軍の一部だったのだ。たとえばアメリカ空軍が独立したのは、やっと1947年のことだった。そこで、今回は空飛ぶRAFの勇姿をごらんにいれたい。だが、われわれの仕事相手は飛行機でなくクルマだ。そこで過去の記事から選りすぐった、空飛ぶクルマの勇姿をもってお祝いにかえさせていただこう。ぜひ全画面でお楽しみいただきたい。

ケーターハム・セブン　1957年から1972年につくられたあこがれのクルマ、ロータス・セブンの現代の姿だ。臆病者お断りの、筋金入りの「クルマ」だ。雨が降ってきたらテント程度でしかないトップを組みたてる羽目になるが、そのかわりハンドリングは抜群。おまけに600kgの軽量ボディをもってすれば、宙を舞うなど朝飯前だ。画像のセブンが飛んでいるのは、イングランド中部ミルブルックのテストコース。もともとはGMがつくった巨大な実験用施設だった。

トヨタGT86　場所は先のセブンとおなじ。GT86の200psというパワーは現代のスポーツカーとしてはとくに大したことはないが、それを補ってあまりあるのがバランスのとれたシャシー設定と、1250kgという軽さだ。

フォード・フォーカスRS　初代では高性能版が出るまで4年待たされたが、それだけのことはあった。わずか1278kgのボディに215psをほこるターボエンジンを載せてきたのだ。先日ひさびさに乗ってみたが、本気の走りで前をいくアストンマーティン・ヴァンキッシュのお尻をいとも簡単に突っつけるのにはおどろいた。ごらんの画像は2002年にはじめてテストしたときのものだが、いかに楽しかったかおわかりいただけるだろう。

マクラーレンMP4-12C　2011年に誕生したこのMP4-12Cはけっして完璧なクルマではなかったが、ミッドシップの巨匠フェラーリへの初挑戦にしては成功だったといえる。われわれのテストでも、生きのいいツインターボエンジンはじゅうぶん堪能できた。宙を飛ぶところをとらえた公式の報道用写真などなかなかないが、この画像はまさにそのめずらしい1枚だ。よく見ると、ドライバーの顔も楽しさにあふれているではないか。

プジョー306 GTi　一見たいしたクルマにはみえないかもしれないが、306はとてもいいクルマだった。さらにGTIの衣装をまとえばなおさらのこと。パワー、機敏なハンドリング、粋なルックス、ドライバーを引きこむ魅力を十分な実用性のあるかたちにまとめあげた306は、プジョーのホットハッチの真価をすべてそなえた最後のモデルだったといえる。

ポルシェ・カイエン・ターボ　この画像には少々説明がいる。時は2003年、場所はコバムのテストコース。ほんらいは装甲車のテストに使う傾斜路だが、カージャンプにも使える。われわれは、ポルシェ初のSUVカイエンをここでジャンプさせてみることにした。最初の2回は失敗したが、さいごにもっと助走をつけてやってみることにした。そのときのドライバーは2011年にこう振りかえっている。「上る途中でもう、やっぱりやるんじゃなかったと悟りました。456psの全力をだしたものだからスピードが出すぎて…。ご想像どおり、2.5tのSUVが2.4mの高さからですから、着地したとたんにバリバリと悪夢のような音がして、ホイールは3本が砕けちりましたよ」その傍らで、カメラマンは追いだされるように道からころがり出ないといけなかった。もちろん、AUTOCAR史上最高のカージャンプをカメラにおさめることは忘れなかったが。

ポルシェ・カイエン・ターボ　2010年に登場した2代目カイエンも、おなじ目（とまではいわないが）にあわせることにした。こちらの舞台はミルブルック。こんどは、つつがなくジャンプを終えたことをお知らせできて喜ばしくおもう。

ルノー・メガーヌRS 250　場所はふたたびミルブルック。ジャンパーは253psをほこるすばらしいホットハッチ、メガーヌRS 250だ。

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