ワインディングで乗った日産の3台 SUVにミニバンと流行り車の実力は? 災い転じて新たな発見も

公開 : 2024.01.31 17:45  更新 : 2024.02.06 18:09

逆転のソロ弾。最後に福音あり

この日最後の試乗車はセレナだった

e-POWERハイウェイスターVというグレードで、前輪駆動。

タイヘン失礼ながら、正直あまり乗り気ではなかった。それでも昨年4月にデビューしたばかりの新型であり、乗ったことがなかったのでとりあえず雪っぽい景色でも見ながらドライブしてこようか……と走りはじめたらこれが大穴だった。

日産の3台 アリア/エクストレイル/セレナ
日産の3台 アリア/エクストレイル/セレナ    日産

フロントマスクはこの手のミニバンの主流ともいうべき迫力系。顔から後ろはデザインというより室内の要件重視か。一方室内は外装と同じく直線基調で、少し懐かしい愚直な雰囲気が1980年代の日産車を思わせる、と感じたのは筆者だけだろうか。

その走りは例によってe-POWERの唸りが気になった。前輪が発するロードノイズも、スタッドレスだけにちゃんとある。最高出力は163psなので全くパワフルとはいえない。それでもこの白い箱はドライブしていて不思議なくらいストレスがなく、もっと走りたい!という気にさせてくれる1台だった。

全高1.9m近いミニバンで、アシも良く動きロールもそれなりにするのに、挙動をちゃんと把握できているという実感があって怖くない。パワーデリバリーも素直で、いつの間にかコーナーを楽しんでいる自分がいる。

前のクルマでは眉間にシワを寄せ、早々とこちらにステアリングを戻してきた編集K氏も、今回は「いくらでも乗っていられます」と運転席を譲らなかった。

開発担当の方に印象を話すと「そう感じていただけるように狙って作りました」とのこと。最後に伏兵? いや福音か。クルマは見た目やスペックじゃわからない。今回のセレナはその代表格だ。

試乗車のスペック

アリア B9 e-4ORCEリミテッド

価格:790万200円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4595×1850×1665mm
駆動方式:4WD
車両重量:2230kg
一充電走行距離:560km
駆動用バッテリー:リチウムイオン電池
総電圧:352V
総電力量:91kWh
原動機フロント:交流同期電動機45kW
定格出力:218ps/5950~11960rpm
最大トルク:30.6kg-m/0~4392rpm
原動機リア:交流同期電動機45kW
定格出力:218ps/5950~11960rpm
最大トルク:30.6kg-m/0~4392rpm
タイヤサイズ:255/45R20(フロント)255/45R20(リア)

エクストレイル G e-4ORCE

価格:474万8700円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4660×1840×1720mm
駆動方式:4WD
車両重量:1880kg
発電用エンジン形式:直列3気筒DOHC 1497cc
使用燃料:ガソリン
最高出力:144ps/4400~5000rpm
最大トルク:25.5kg-m/2400~4000rpm
フロントモーター:交流同期電動機
最高出力:204ps/4501~7422rpm
最大トルク:25.5kg-m/0~3505rpm
動力用主電池:リチウムイオン電池
リアモーター:交流同期電動機
最高出力:136ps/4897~9504rpm
最大トルク:19.9kg-m/0~4897rpm
動力用主電池:リチウムイオン電池
タイヤサイズ:235/55R/19(フロント)235/55R/19(リア)

セレナ e-POWERハイウェイスターV

日産の3台 アリア/エクストレイル/セレナ
日産の3台 アリア/エクストレイル/セレナ    日産

価格:368万6100円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4765×1715×1885mm
駆動方式:FF
車両重量:1810kg
パワートレイン:直列3気筒DOHC 1433cc
使用燃料:ガソリン
最高出力:98ps/5600rpm
最大トルク:12.5kg-m/5600rpm
モーター:交流同期発電機
最高出力:163ps
最大トルク:32.1kg-m
動力用主電池:リチウムイオン電池
タイヤサイズ:205/65R16(フロント)205/65R16(リア)

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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