メーカー自らが手掛けるリフレッシュ&カスタマイズ 日産が中古車に新たな魅力を吹き込む

公開 : 2024.01.19 22:33

日産は「内外装部品のリフレッシュやカスタマイズを施した中古車のトライアル販売」を開始すると発表しました。記念すべき第一弾はキューブをベースとした20台の限定販売で、もちろん認定中古車扱いとなります。

トライアル中、でも20台限定販売が決定!

中古車を徹底的に整備、もしくはカスタマイズして仕上げて販売するというスタイルは珍しくないが、それをメーカー自らが手掛ける例はあまり多くはない。

ホンネのところでは「新車をもっと買ってほしい!」という思いも当然のようにあるからである。

日産「内外装部品のリフレッシュやカスタマイズを施した中古車のトライアル販売」
日産「内外装部品のリフレッシュやカスタマイズを施した中古車のトライアル販売」    AUTOCAR JAPAN編集部

ところが今回、横浜駅からほど近い日産グローバル本社において発表があったのは、まさにメーカー主導によるカスタマイズのお話だった。題して「内外装部品のリフレッシュやカスタマイズを施した中古車のトライアル販売」というもの。

どうしてこんなにタイトルが長いのかといえば、文中にもある通り、このプログラムはまだトライアルの状態だから。そしてなぜ今回発表になったのかといえば、トライアルというかたちではあるが日産と販売会社である奈良日産が共同で実際にカスタマイズ車輛の販売を行う目途がついたから、ということになる。

このプロジェクトの端緒となった作品は2023年の東京オートサロンに展示された「キューブ・レトロリノベーション」だった。そして、つい先ごろのオートサロンではその第二弾として「マーチ・パティシエ・コンセプト」が展示されていた。だが今回奈良日産の認定中古車というかたちで販売される車輛は第一弾のキューブの方で、20台限定の販売となる。

メーカー謹製のオーラ、さすがの仕上げ。

今回あらためてお披露目された「キューブ・レトロリノベーション」からは、さすがメーカーが直々に仕上げたクルマ! というオーラが感じられた。

ベース車両の元色は腰下に見える赤みがかったブラウン系となる。ボディの上半分はガンメタ半艶のプロテクションフィルム仕上げが施されており、アクセントとなるゴールドのラインがボディ全体に遊び心を加えている。ホイールキャップもボディに合わせた凝ったペイントが施されているほか、今回の20台のためにフロントグリル部の非対称パネルは新造されている。

日産「内外装部品のリフレッシュやカスタマイズを施した中古車のトライアル販売」
日産「内外装部品のリフレッシュやカスタマイズを施した中古車のトライアル販売」    AUTOCAR JAPAN編集部

今回のプロジェクトには2つの大きなテーマがある。中古車の程度を高めるため、ステアリングやスイッチ類、ヘッドランプ等の純正部品を使用して新車当時の状態に近づけるリフレッシュ・パッケージ。そして新車当時とは違うトレンドや技術によって新たな個性や機能を追加するカスタム・パッケージである。

どちらのパッケージにもプレミアムやスタンダード、そしてエントリーという3つのプランが用意されており、カスタマーの予算や希望を取り入れて仕上げるかたちになる。

ちなみにデモカーの「キューブ・レトロリノベーション」の場合はプレミアムのプランで仕上げた上に、個別オプションのルーフキャリアも装着した状態となっている。

「キューブ・レトロリノベーション」の販売は奈良日産において1月22日から始まることになっており、その反響次第で日産のリフレッシュ&カスタマイズの計画が加速していくことになるはずだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 執筆 / 撮影

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

関連テーマ

おすすめ記事

 

日産の人気画像