えっ、これがレグノなの? 驚きのモデルチェンジを遂げたGR-XⅢが登場、静かで快適なだけじゃない!

公開 : 2024.03.15 07:05

公道ではどうか? これが刷新されたレグノの評価だ

そんなテストコースでの印象だったが、それではリアルワールド、一般道での印象はどうだろう。BMW i4で試乗した。

まず感心したのがその静かさと滑らかさだった。パワーユニットからノイズと振動が発生しないEVの良さをそのまま生かされている。また従来はタイヤダンピングがソフトで足回りの引き締まったクルマとの相性はイマひとつだったが、車重が重く足回りが引き締まったi4と組み合わせても不協和音はなく快適だった。

ブリヂストンのレグノがモデルチェンジ
ブリヂストンのレグノがモデルチェンジ    ブリヂストン

オリジナルのi4と比べると全体にややマイルドで穏やかな印象になっている。操縦性についても、タイヤのヨレからくる応答遅れは感じられなかった。

一般道では、路面の細かなうねりや目地、段差を上手にいなして快適な乗り心地を見せてくれた。興味深かったのは、テストコースのところでも少し触れたが、タイヤが軽いゆえの振動の入り方の違いだ。

低速で路面のそれほど大きくないひび割れを踏んだ時、もちろんノイズもショックも大きくないのだが、それと判るような感触が伝わって来るのだ。タイヤの軽さからくるもの、またサイドウォールが全体的に変形することで起こる独特の振動の伝わり方といったものが、煩わしくない範囲で乗り手に路面の様子を伝えてくれる。そんなインフォメーション性の良さがある。

またタイヤの軽さは、発進停止、段差の厭離声、レーンチェンジでの足元の軽さ感としても感じられた。これもGR-XIIIの美点に挙げていいと思う。

あえて言えば、直進から指半本分以下の領域の応答性が気になった。たぶん、この部分の応答のダルさは多くのドライバーにとって穏やかで落ち着きがあると感じるのだろうと思うが、その一方でこのダルさをもう少し詰めてもらえると、さらにドライブフィールがよくなるのでは…と思えなくもない。

いやじつはGR-XIIIに乗っていると、軸足にコンフォート性能があることをつい忘れてしまうくらい全体に整った操縦性のいいタイヤに仕上がっているのだ。

静粛性、乗り心地を進化させたうえで、操縦性を大幅に向上させたレグノGR-XIIIは、より広いユーザーのニーズを満足させることができるタイヤであるといっていいと思う。同時にこれからのブリヂストンのタイヤ作りの方向性を示唆する新世代のタイヤであり、これから登場するタイヤがより楽しみになった。

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    AUTOCAR JAPAN

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    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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