シトロエンに「全然見えない」 トラクシオン・アバンが土台 1948年のレナード・エ・ベック・ロードスター

公開 : 2024.04.21 17:45

差別化のための効果的なコンバージョン

シャプドレーヌは、フロントグリルを8日間で作り直した。完全にレストアを終えるまで、1年3か月を費やしたという。バンパーやテールライトなどは、キャデラックの部品を加工している。仕事量を考えれば、かなり短期間で仕上げたといっていい。

彼の友人が発見した時、ステアリングホイールはなかった。そこでシャプドレーヌは、フランスに存在した自動車メーカー、ドライエ社などが標準装備させていたアイテムを用いている。

トラクシオン・アバン・レナード・エ・ベック・ロードスター(1948年式)
トラクシオン・アバン・レナード・エ・ベック・ロードスター(1948年式)

ステアリングコラムには、シフトレバーが備わる。これは、利便性を考え彼が追加したものだ。「とても良く機能していますよ」。とシャプドレーヌが説明する。

オリジナルのトラクシオン・アバン・ロードスターより、優れたスタイリングとはいえないかもしれない。しかし、周囲との差別化という点で、レナード・エ・ベック社は効果的にコンバージョンしたといえる。

オリジナルが非常に美しいだけに、それ以上の美貌を獲得することは簡単ではない。しかし、保守的なスタイリングを大胆に打ち破っており、同社の仕事は高く評価できるだろう。この容姿が、退屈ではないことは明らかだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・プレスネル

    Jon Pressnell

    英国編集部ライター
  • 撮影

    オルガン・コーダル

    Olgun Kordal

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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