1980年末『路上のビジネスクラス』たち(1) 直列6気筒エンジンを搭載するBMW、ジャガー、オペルの高性能サルーン

公開 : 2026.10.24 17:45

XJ-Sでお披露目されたオールアルミの直6

同時期のジャガーは、確かなブランド・アイデンティティで高めの価格を正当化していた。開発予算は、セネターの10分の1だったが。1986年に世代交代を果たした40系XJのボディは、BMW 535iより32mm低く、流麗なシルエットはXJ6を彷彿とした。

先代よりスタイリングは若干エッジーながら、ショルダーラインは丸く、リアへ向けて優しく下降。大らかな曲線美は、今でも魅力的といえる。バンパーはボディと一体化されず、クラシカルな雰囲気も残していた。

ジャガーXJR(1988〜1994年/英国仕様)
ジャガーXJR(1988〜1994年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

エンジンは1984年のXJ-Sでお披露目された、オールアルミで24バルブの直列6気筒、AJ6ユニット。排気量は当初2.9Lと3.6Lの設定だったが、後に3.2Lと4.0Lへ拡大され、モデル末期にはV12エンジンも選べた。

サスペンションはウイッシュボーン式で、リア側は特殊なプレートで前後の動きを抑制。エンジンマウントはコンピュータ解析で設計され、伝統といえたインボードレイアウトのブレーキは、ハブ側へ移された。

上級社員が求めるような高速ツアラー

TWRとの協働による、ジャガー・スポーツによって生み出されたのが、高性能なXJR。スプリングやアンチロールバーは強化され、専用ボディキットをまとい、ステアリングは重さが40%増やされた。ビルシュタイン社製ダンパーと、LSDも標準だった。

その後、XJの直6エンジンは4.0Lへ拡大。1991年仕様の「R」では、ハイリフトカムと吸気マニフォールド、9.75:1への高圧縮比化などでパワーを引き上げ、他の2台を上回る254psが引き出されている。最大トルクは、僅かに低下したが。

ジャガーXJR(1988〜1994年/英国仕様)
ジャガーXJR(1988〜1994年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

目指されたのは、クロームメッキが控えめに光る、上級社員が求めるような高速ツアラー。上品なスタイリングは崩されず、穏やかなエアロキットと16インチのスピードライン社製ホイール、ダーク・ウインドウトリムなどで、ソブリンと差別化された。

この続きは、1980年末『路上のビジネスクラス』たち(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    アーロン・マッケイ

    Aaron McKay

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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