BMW 3.0 CSL/ポルシェ911 カレラRS 2.7(1) 2台で異なるホモロゲへのアプローチ 公道体験は対照的
公開 : 2026.07.12 17:45
レースでの勝利を目指し誕生した、軽量化仕様のBMW 3.0 CSLとポルシェ911 カレラRS 2.7。ホモロゲ取得のアプローチと運転体験は、見た目以上に異なります。UK編集部が珠玉の2台へ迫ります。
もくじ
ーBMWモータースポーツ社の存在感を高めた3.0 CSL
ーエンジンの位置以上に対照的な運転体験
ー装備も徹底的に省かれた軽量なカレラRS 2.7
ーランボルギーニ・ミウラに匹敵する動力性能
ーピュアな美しさを放つフックス社製アルミ
ー隙を見て暴れたがるリアタイヤ
BMWモータースポーツ社の存在感を高めた3.0 CSL
自動車雑誌「モータースポーツ」のページをめくった若き筆者は、編集者のビル・ボディ氏による記事へ魅了された。1973年1月号の特集は、BMW 3.0 CSLで欧州の首都を10か所、4日間で巡ったものだった。
そこでの平均速度は234km/hで、走った距離は6100kmに達し、燃やしたプレミアムガソリンは1135L。エンジンオイルも1.8Lほど継ぎ足していた。壮大なロードトリップで、3.0 CSLは自分にとって特別な1台になった。とりわけ「バットモービル」が。

欧州ツーリングカー選手権でフォード・カプリ RS3100より先にゴールし、BMWモータースポーツ社の存在感を一躍高めた3.0 CSL。公道モデルも当然、注目を集めている。
そして同時期に誕生したのが、史上最高の1台へ数えられるポルシェ911 カレラRS 2.7。1973年のグループ4 GTクラス・レースを前提にした、特別なポルシェだ。
エンジンの位置以上に対照的な運転体験
興味深いことに、ホモロゲ取得のためのアプローチは、2台で異なる。結果として、公道での運転体験も対照的といえるほど違う。エンジンの位置以上に。
1970年代初頭のポルシェは、まだ小規模なメーカーだった。1969年にデビューしたスポーツカー・クラスの917は、1970年と翌年のル・マン24時間レースで優勝を掴むが、ホモロゲ取得に必要な25台の生産には苦労している。

同時期に、国際自動車連盟はグループ4/5カテゴリーを改め3.0L以下の規制を導入。設計の古い908では、フェラーリ312PBと互角に戦うことは難しかった。そこで市販車ベースのGTクラスへ、転換が図られる。
決定的なきっかけは、ドイツでのレース。911がBMWやフォードの後塵を拝する様子を、ポルシェの技術者、ヘルムート・ボット氏が目の当たりにしたことだった。
装備も徹底的に省かれた軽量なカレラRS 2.7
3.0L規制に対し、開発されたエンジンは2.7L。ポルシェに詳しいレーシングドライバー、アンディ・プリル氏は「新エンジンを作りたくなかったのでしょう。2.7Lユニットは、192psの2.4S用クランクケースがベースです」と説明する。
「スタッドボルトの位置を変えず、ボアを限界まで広げています。後期型の911 S/Tをベースに、2台のカレラRS 2.7が製作されたのは1972年。経営陣は、完成まで開発を知らなかったようですが、ホモロゲーションに必要な500台の生産は承認されました」

ファクトリーオーダー仕様(RSH)として作られた911 カレラRS 2.7では、装備が徹底的に省略された。軽量化のため鋼板の厚みが削られ、ガラスも薄肉化。軽いビルシュタイン社製ダンパーが用いられた。
当初、RSを関した911は特別なマニア向けだとポルシェは考えていたが、1972年10月のパリで発表されると、1週間で完売している。RSR用に確保された、55台を除いて。
画像 ホモロゲ仕様なBMW 3.0 CSLとポルシェ911 カレラRS 2.7 現行M4 CSLと911 GT3 RSに 全125枚































































































































