ボーフェンジーペン 05 GT(2) 超低空飛行するプライベートジェットの如き圧巻の体験 期待通りにしなやかな足さばき

公開 : 2026.06.22 18:10

アルピナ・ブランドを譲渡した創業家が立ち上げたボーフェンジーペンが、BMW M5 ツーリングへ手を加えた05 GTを発表。V8ツインターボPHEVは801psへ上昇しつつ、足さばきはしなやかです。UK編集部が試乗します。

M5 ツーリングのやや重たい雰囲気を一新

ボーフェンジーペン・オートモビル社が突如発表した、ステーションワゴンの05 GT。試乗場所はオーストリア中部のザルツブルクリンク・サーキットだったが、超低空飛行するプライベートジェットのような、圧巻の体験だった。まさに、モンスターだ。

それへ触れる前に、スタイリングを観察していこう。控えめな造形を生み出したのは、カーデザイナーのフランク・ステファンソン氏。ベースとなった、G99型のBMW M5 ツーリングのやや重たい雰囲気が、一新されている。

ボーフェンジーペン 05 GT(欧州仕様)
ボーフェンジーペン 05 GT(欧州仕様)

ボディサイドには、アルピナを彷彿とさせるピンストライプ。塊感を軽減するべく、サイドシルはえぐられるようにカーブしている。前後のバンパーは精悍さを増し、ルーフスポイラーが後ろ姿を引き締める。

フロントスカート中央には、ボーフェンジーペンとアルファベットで綴られる。オリジナルを素材に、巧みに新たなイメージが醸成されていると思う。

アルピナ時代の技術生きるカスタマイズ可能な内装

極めて豪華なインテリアも、アルピナ時代の技術が生きている。シートのヘッドレストには、目新しいロゴがエンボス加工で施されるほか、オーナーの希望に合わせて、カスタマイズの可能性は無限大といっていい。

ただし、プラスティックが目立つダッシュボードが、全体の雰囲気を僅かに乱す。要所に手は加えられ、ボーフェンジーペンとして最大限の努力は投じられているが。

ボーフェンジーペン 05 GT(欧州仕様)
ボーフェンジーペン 05 GT(欧州仕様)

シートはスポーティな造形ながら、パイピングが巧妙に施され、快適性が高められている。センターコンソールのパネルは、差し色で鮮やかに染められる。

驚異的な動力性能に期待通りしなやかな足さばき

公道での走りは確かめられていないが、ザルツブルクリンク・サーキットの荒れた路面を、05 GTは見事に処理していた。ボーフェンジーペン家のチューニングとして、期待通りに足さばきはしなやか。信頼感を生む、操縦性や姿勢制御も叶えている。

動力性能は驚異的。ブレーキングゾーンでの安定性には、眼を見張る。大きなステーションワゴンでありながら、コーナリングも極めて精彩といえる。それでも、僅か6周に限られた試乗では、動的能力を詳しく把握することは難しい。

ボーフェンジーペン 05 GT(欧州仕様)
ボーフェンジーペン 05 GT(欧州仕様)

試乗の終盤、ボーフェンジーペン・ザガートを追走した場面では、フロント寄りの重量配分と、そもそもの車重が足かせとなり、コーナーの入口で引き離される。しかし、回頭が落ち着き頂点をかすめると、出口へ向けてクーペのテール目掛けて突進していく。

大きな飛行機が、小さなセスナを追い回すように。パフォーマンスの高さは明らかで、落ち着きも秀抜で、長距離クルーザーとしての能力に間違いはないだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ボーフェンジーペン 05 GTの前後関係

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