動じず先を急げるジャガーXJR 本気度は高かったオペル・セネター 24v 1980年末『路上のビジネスクラス』たち(3)

公開 : 2026.10.24 17:55

1980年代末のBMW 535i、ジャガーXJR、オペル・セネター 24vという直列6気筒エンジンを搭載する高性能サルーンたち。ブランドの特長が色濃く表れた姿と走りの印象を、UK編集部が味わいます。

順に灯るデジタル・タコメーターのバー

ヴォグゾール(オペル)・セネター 3.0i 24vのダッシュボードは、レトロフューチャー的。ジャガーXJRより全幅は約250mm狭いが、車内は明らかに広い。ボンネットはフロントノーズに向けて傾斜し、ワイパーはカウルへ隠れて目立たない。

デジタル表示のメーターパネルを、有機的なカウルが覆う。センターコンソールを挟んで充分離されたシートは、見た目よりクッションが硬め。ホールド性は高くないものの、サイズは3台で最も大きい。後席側の空間にも、かなりゆとりがある。

ヴォグゾール(オペル)・セネター 3.0i 24v(1987〜1993年/英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・セネター 3.0i 24v(1987〜1993年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

3.0L直列6気筒エンジンは穏やかに目覚め、軽やかに吹け上がり、4速ATが2500rpmを過ぎた頃にギアを切り替える。デジタル・タコメーターのバーが順に灯っていく様子は、今でも新鮮な体験に思える。

ステアリングホイールは軽く回せ、乗り心地はフラット。深いヒビの入ったアスファルトを、滑らかにいなす。速度上昇に合わせて、目立つ凹凸も意に介さなくなり、今回の3台では際立って快適といえる。

積極的にフロントノーズを導けるステアリング

アクセルペダルを踏み込むと、4速ATは動作に迷いがち。反応がやや緩慢なノーマル・モードから、スポーツ・モードへ切り替えると、今度は少し積極的すぎる。結果的に、自分でギアを選びたくなる。

4000rpmまで引っ張ると、重厚なダッシュボード越しに、僅かに野生的なサウンドが聞こえてくる。ハイペースで運転しても、ブレーキは平然と速度を絞り続ける。ステアリングの感触には安心感があり、直感的にフロントノーズを導ける。

ヴォグゾール(オペル)・セネター 3.0i 24v(1987〜1993年/英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・セネター 3.0i 24v(1987〜1993年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

コーナリングは印象的にフラット。今回の車両は社外ダンパーへ交換されているが、ニュートラルな操縦性が好ましい。少し気張れば、コーナーの出口で僅かなオーバーステアにも興じれる。

ジャガーらしい威風堂々とした雰囲気

ジャガーXJRは、ドアハンドルの重さが特別感を醸し出す。ルーフラインは低く、頭をかがめて運転席へ座ると、上等なレザーとウォールナット、カーペットで贅沢に仕立てられたクラフトマンシップへ圧倒される。

着座位置は非常に低く、トランスミッショントンネルとドアに包まれたかのよう。クラシカルなダッシュボード越しに、目前にはスクエアなボンネットが広がり、リーピングキャットが見える。ジャガーらしい、威風堂々とした雰囲気へ浸れる。

ジャガーXJR(1988〜1994年/英国仕様)
ジャガーXJR(1988〜1994年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

人間工学的には、若干の難がある。トリップコンピューターの表示は、中央にエアバッグが内蔵されたステアリングボスで隠れてしまう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    アーロン・マッケイ

    Aaron McKay

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

1980年末『路上のビジネスクラス』たちの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

Google検索で『AUTOCAR JAPAN』の記事を見つけやすくする方法