UK編集部が現地取材 次期 ジャガーGT(1) 航続692kmで1000馬力以上 乗り心地に妥協なし

公開 : 2026.02.05 18:05

2026年夏に迫る次期ジャガー 全長5.2mのロングノーズボディに低重心 3モーター総合1000ps以上 適度に重く精緻な操舵感 優れたシャシーバランス 本物の体験を掴めるか? UK編集部が試作車を現地で取材

温故知新を大切にしたジャガーの技術者

最近のジャガーから届けられるメッセージは、すべて新しさを強調するもの。伝統には関心がないのかと、誤解していた。未来への刷新を掲げ、全モデルの生産が終了し、ロゴは新しくなったのだから、無理はないだろう。

実際は、ジャガーの技術者は温故知新を大切にしていた。まったく新しいバッテリーEVのラグジュアリー・ジャガーは、過去のすべてを無視した成り立ちではなかった。

次期 ジャガー GT(タイプ00/プロトタイプ)
次期 ジャガー GT(タイプ00/プロトタイプ)

AUTOCARで画像をご紹介した時点で、17種の検討用クレイモデルが原寸大で作られ、スタイリングは決まっていた。そして、次世代の方向性を明確にし、量産へ向けた開発が始まった。歴代モデルを振り返り、ブランドらしい心象の定義へ挑まれている。

量産仕様の発表は2026年の夏 注文は秋から

かくして、北極圏から約100km南のスウェーデン北部、アリエプログという町の郊外に筆者はやって来た。ここには、ジャガー・ランドローバー(JLR)が冬季テストを実施する、100平方mの湖がある。水面は凍結し、テストコースが準備されている。

次期ジャガーのプロトタイプは150台作られたそうだが、その何台かが停まっている。モデル名は発表されていないから、ここではタイプ00と呼ぶことにしたい。

次期 ジャガー GT(タイプ00/プロトタイプ)
次期 ジャガー GT(タイプ00/プロトタイプ)

氷点下15度の中、80名以上の技術者が働いている。筆者は、鼻毛まで凍った。

4ドアのグランドツアラー、タイプ00の量産仕様の発表は、2026年夏が予定されている。英国での注文開始は秋で、納車は2027年の春になる見込み。そのプロトタイプを、運転させてもらえるらしい。

全長は5.2m 後ろ寄りのキャビン 低い重心

タイプ00の全長は5.2mあり、全高は1.4m以下。全幅は不明だが、狭くはない。フロントのオーバーハングは877mmと短く、ホイールベースは3.2m。Cd値は0.25以下だ。

主任技術者のジョン・ダーリントン氏が、湖に面したワークショップで1台をリフトアップしてくれた。要求の高さと複雑さから、利用できる既存アーキテクチャはなかったと振り返る。フロントアクスルと運転席の足元まで、903mmも離れているという。

次期 ジャガー GTから充電ソケットを外すスタッフ
次期 ジャガー GTから充電ソケットを外すスタッフ

ドライバーのお尻の位置、ヒップポイントは、フロントドアの後端より後方。全体的に、キャビンは後ろ寄りだとわかる。通常より高いJLRの衝突安全基準を満たすべく、センターピラーがルーフを支えている。ドアは、どちらも前ヒンジで開く。

重心の高さは、ヒップポイントから60mm下。旋回時の回転軸は、ドライバーの位置とほぼ一致するとか。前後の重量配分は、50:50に整えられている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

次期 ジャガーGTの前後関係

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