直6ツインターボ20ps増強 BMW M3 ツーリング(1) 荷室が叶える想像以上の実用性 追求された訴求力

公開 : 2026.04.23 18:05

モデル中期の改良を受けたBMW M3 ツーリング。S58型ツインターボは、20ps増強され530psに。大きさを実感させない、真のドライバーズカーの訴求力は一層の高みへ。UK編集部が評価します。

ワゴンでも秀でた動的能力はそのまま

BMW M3のステーションワゴンというアイデアは、以前から存在していたようだが、実現までには長い時間が必要だった。果たして、G80型で叶うこととなったが、サルーンが宿す出色の動的能力はそのままに、素晴らしいMモデルへ仕上がっている。

ベースの仕様でも、屈指の高性能ファミリーワゴンといえる。だが、サーキットを積極的に駆け回りたいという好事家向けに、M3 CS ツーリングも設定されている。

BMW M3 xドライブ・ツーリング(英国仕様)
BMW M3 xドライブ・ツーリング(英国仕様)

発売から数年が経ったM3 ツーリングだが、同クラスのベンチマークとしての地位は既に確立している。それでも訴求力を追求するべく、2025年にモデル中期のアップデートが施された。優れたモノを一層良くすることは、簡単な仕事ではなかったはず。

S58型の直6ツインターボは20ps増強

スタイリングに加えられた改良は、非常に僅か。いわれなければ気付きにくいが、LEDヘッドライトの点灯パターンが変わり、M3のロゴも新しい。アルミホイールには新デザインが登場し、ボディ塗装にも新色が追加された。

賛否両論ある縦長のキドニーグリルはそのままだが、見慣れたという人は多いはず。フェンダーが力強くフレアし、やる気に満ちた出で立ちも変わらない。

BMW M3 xドライブ・ツーリング(英国仕様)
BMW M3 xドライブ・ツーリング(英国仕様)

注目すべきは、S58型の直列6気筒3.0Lツインターボエンジンが、20ps増強されたこと。66.1kg-mの最大トルクに変更はなくても、最高出力は530psに達している。

これまで通り、可変式の四輪駆動システム、xドライブが標準。お好みで、後輪駆動状態にすることもできる。Mドライバーズ・パッケージを指定すれば、最高速度は249km/hのリミッターが解かれ、280km/hに届く。

上質なインテリアに残る物理スイッチ

インテリアの雰囲気も従来どおり。レッドのマーカーが入った、底部がフラットなステアリングホイールと、新しい形状のエアコンの送風口を獲得した程度。それでもデザインは洗練され、素材は上質で、製造品質に優れ、高級感は高い。

ダッシュボードには、14.9インチのセンター・タッチモニターと12.3インチのメーター用モニターが連なった、ワイドなモニターパネルが鎮座。システムは、最新バージョンのiドライブが稼働する。

BMW M3 xドライブ・ツーリング(英国仕様)
BMW M3 xドライブ・ツーリング(英国仕様)

モニターは高精細で見やすく、画面レイアウトは理解しやすい。だがサブメニューが多く、一部の機能の操作時は複雑に感じることがある。

その下部には、独立したエアコンの操作パネルがあり、物理スイッチが並ぶ。センターコンソールに残る、ロータリー・コントローラーもうれしい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    役職:常勤ライター
    AUTOCARに加わる以前は、クルマからボート、さらにはトラックまで、EVのあらゆる側面をカバーする姉妹誌で働いていた。現在はAUTOCARのライターとして、トップ10ランキングや定番コンテンツの更新、試乗記や中古車レビューの執筆を担当している。最新の電動モビリティ、クラシックカー、モータースポーツなど、守備範囲は広い。これまで運転した中で最高のクルマは、1990年式のローバー・ミニ・クーパーRSP。何よりも音が最高。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

BMW M3 ツーリングの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事