欧州最安価クラスのEVへ シトロエン『2CVコンセプト』世界初公開(前編) 1万5000ユーロで2028年の発売目指す

公開 : 2026.10.12 17:05

シトロエンは名車『2CV』の精神を受け継ぐ新型EVのコンセプトカーを発表しました。おなじみのシルエットにレトロなスタイリング、シンプルで機能的なインテリアを採用しています。2028年までに欧州で発売予定です。

現代に必要とされる低価格車

シトロエンは、フランスで開幕したパリ・モーターショーで新型EV『2CV』のコンセプトカーを公開した。2028年に発売予定で、欧州市場で最も安価なEVの1つとなる見込みだ。

このコンセプトカーは、オリジナルの2CVの設計思想をEV時代に応用しようと試みたものだ。もはや「卵」や「畑」が最優先事項ではないが、チーフデザイナーのアントワーヌ・ガイヨ=ドレヴォン氏によれば、「郊外で働く看護師」のような、「現代の農家」に対して手頃な価格の移動手段を提供することを目指しているという。

シトロエン2CVコンセプト
シトロエン2CVコンセプト    AUTOCAR

そのために、シトロエンは復活版2CVの価格をわずか1万5000ユーロ(約265万円)に設定する目標を掲げている。実現すれば欧州最安価クラスのEVとなるだろう。

この野心的な価格設定(10年前のガソリンエンジン車『C1』とほぼ同等の安さ)の鍵となるのが、まったく新しいEV用プラットフォームの開発だ。これは、現行の『C3』のベースとなっているスマートカー・プラットフォームや、親会社ステランティスが今後導入予定のSTLA Oneプラットフォームとは異なるものだ。小型EVの販売促進を目的とした、欧州連合(EU)が提案している新規制を活用するために設計されたものである。

車重1トン、オリジナルより短い全長

低価格車らしく、技術仕様はミニマルだ。車両重量をわずか1トンに抑えることを目標としており、これは市販EVの中でも特に軽量な部類に入る。

このことから小型バッテリーの採用が予想される。現行の『e-C3』のエントリーグレード「アーバン・レンジ」は30kWhのリン酸鉄リチウム(LFP)バッテリーを採用し、1回の充電で約210kmの航続距離を実現している。競合車であり、同様にレトロなデザインを持つルノー・トゥインゴは、28kWhのLFPバッテリーにより約250kmの航続距離を誇る。

シトロエン2CVコンセプト
シトロエン2CVコンセプト    AUTOCAR

軽量化に貢献するのが、コンパクトなボディサイズだ。今回公開されたコンセプトカーは全長3.76mと、1948年のオリジナルモデルよりもさらに短い。

ガイヨ=ドレヴォン氏によると、2CVの2年間にわたる開発において、サイズは最も重要な検討事項の1つだったという。シトロエンの歴代経営陣が、レトロなオリジナル車の復活を承認するか、あるいは精神のみを受け継ぐ新しいフォルムを追求するか、方針を二転三転させたため、このコンセプトカーは何度か大きな変更を経てきた。しかし、現CEOのグザヴィエ・シャルドン氏が昨年就任すると、復活にようやくゴーサインが出た。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

シトロエン『2CVコンセプト』世界初公開の前後関係

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