レトロなデザインは量産車にも採用予定 シトロエン『2CVコンセプト』世界初公開(後編) フランスの名車がついに復活

公開 : 2026.10.12 17:10

シトロエンは名車『2CV』の精神を受け継ぐ新型EVのコンセプトカーを発表しました。おなじみのシルエットにレトロなスタイリング、シンプルで機能的なインテリアを採用しています。2028年までに欧州で発売予定です。

機能性重視のシンプルなインテリア

新型2CVの開発において、さらに大きな課題はインテリアだった。アントワーヌ・ガイヨ・ドレヴォン氏が指摘するように、TPVやオリジナルの2CVには「デザインテーマが存在しなかった」からだ。

1930年代のプロトタイプには、スピードメーターはおろか、従来のダッシュボードさえなかった。ステアリングコラムは単に床から突き出ているだけで、シフトレバーはフロントガラスのすぐ下に取り付けられていた。

シトロエン2CVコンセプト
シトロエン2CVコンセプト    シトロエン

このコンセプトカーでは、小さなインフォテインメント用タッチスクリーンを追加して現代風にアレンジされているものの、オリジナルモデルや、シトロエンの過去の名車たちへのオマージュが随所に見られる。

例えば、シートは鮮やかなイエローのタータンチェックで張られたベンチシートとなっており、有名な「傘の柄」のようなシフトレバーも、EVのPRNDレイアウトに合わせて再設計されつつ引き継がれている。

ステアリングホイールはシングルスポークで、ペダルは初期の2CVや『DS』、『SM』に見られるようなキノコ型のデザインとなっている。ラジオは取り外し可能で、ピクニックの際にBluetoothスピーカーとして使えるよう設計されている。

量産モデルにも多くが引き継がれる

「車内に乗り込んでこれを見たとき、まるで一筋の陽光を浴びたような気分になってほしいというのがコンセプトでした」と、カラー・素材・トリムデザイナーのマドレーヌ・テルニシアン氏は語る。

「選んだ素材のすべてがそのまま採用されるわけではありませんが、最終的な量産車でも似たようなものを取り入れる方法は見つかるはずです。このファブリックは量産化しても決して突飛なものではありません。同じ精神を保ちつつ、別の方法で実現することも可能です」

シトロエン2CVコンセプト
シトロエン2CVコンセプト    シトロエン

レトロな雰囲気を完成させるのがキャンバスルーフだ。これを開閉するには、停車中に手動で巻き上げたり広げたりする必要がある。ガイヨ=ドレヴォン氏によれば、これは「クルマとのインタラクションを重視した」ためであり、量産モデルにも採用されるという。

実際、このコンセプトカーに見られる要素の多くは量産化される見込みだ。量産モデルのデザインは、コンセプトカーの開発に携わったメンバーの多くが担当している。

ガイヨ=ドレヴォン氏は、「コンセプトカーと呼んでいますが、プロポーションやホイールサイズに関しては極めて現実的です。量産で実現できない要素は何一つありません」と述べている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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