ロータス・エヴォラ414Eハイブリッド

公開 : 2012.10.05 15:25  更新 : 2017.05.29 19:25

■どんなクルマ?

ロータスのエクスペリメンタル・モデル、414Eは、インフィニティ・エマージeのベースともなったエヴォラ・ベースのシリアル・ハイブリッド・モデルだ。この414Eプロジェクトには、英国政府から、政府のテクノロジー・ストラテジー・ボード(TSB)REEVプロジェクトのひとつとして資金が提供されている。特に、英国政府は、電気自動車の分野で専門知識を得ることに興味を持っている。

日産、Xトラック、エヴォ・エレクトリック、ジャガーランドローバーなどがこのプロジェクトに参加した。しかし、ジャガー・ランドローバーは、TSBのリモ・グリーン・プロジェクトを断念して、一般的なパラレル・ハイブリッドのXJ-eコンセプトを造ることとしたため、このプロジェクトから外れた。

この414Eには、2つのパワー・ソースがある。そのひとつが、リア・シートに積まれる250kgの重さを持つバッテリーによる15kWhのモーターだ。モーターによる航続可能距離は48kmである。

もうひとつが、ロータス製の1.2リッター3気筒ガソリン・エンジンである。シリンダー・ヘッド、エグゾースト・マニフォールドまでひとつのアルミニウム・ブロックで造られているのが特徴だ。そのパワーは47bhp/1500rpm-3500rpmで、ガソリンはもちろんのこと、メタノールやエタノールでも動くことができる。発電機は、直接クランクシャフトに取り付けられる。バッテリー容量が30%を切った時に、あるいはドライバーがフルスロットルを要求した時に、エンジンは直接ホイールに駆動を与えるという仕組みだ。

1382kgというオリジナルのボディ・ウエイトよりも377kg重いにもかかわらず、414Eは0-100km/h4.4秒、そして最速速度214km/hというパフォーマンスを発揮する。

■どんな感じ?

エクステリアはガソリン・エンジンを搭載したオリジナルのエヴォラとほとんど異なるところはない。インテリアも、センターコンソールにプッシュボタン式のインターフェースがある以外は、違いを見出すことはできない。ちなみに、ロータスは、シングルスピード・トランスミッションのために、パーキング・モードを設計している。

EVモードにおける414Eは非常に速い。ツイン・モーターが線形のパワー・デリバリーを見せるだけでなく、マッシブな加速感をかもしだしてくれるのだ。そして、クルマの中央に重いバッテリーを搭載するにもかかわらず、エヴォラのトレードマークである、デリカシー、バランスにはまったくといって良いほど影響を及ぼしていないのだ。

スロットルを強く踏み込むと、レンジ・エクステンダー、つまりエンジンに火が入る。そのエンジンは遮熱はそのクルマの構造からキチンとできているが、その静粛性についてはロータスは研究を実質的にしていないことを認めている。

開発初期段階という注釈がつくが、そのエンジンは2秒遅れでそのパワーを発揮する。

ずぶ濡れのヘセルのテストコースでの短い周回だったが、このドライブ・トレーンがロータスにふさわしくないとはまったく思えなかった。ギアなしのシームレスなトルクが、エンジン・ノイズなしにクルマを動かす感覚は、エンスージァストにとっても実に面白い感覚ではないだろうか。特に、レンジ・エクステンダーが沈黙している純粋なEVでの走行は、最高であった。

■「買い」か?

残念ながら今414Eを購入することはできない。また、将来的にも今現在のカタチのモデルを購入することはできないだろう。というのも、414Eがインフィニティとして発売されることになっても、414Eは少なくとも12ヶ月は開発を続けることになっており、市販されるとしても2年後となる。

その場合、歩行者に警鐘を鳴らす意味においてもエンジン・サウンドを発するハロ・ソニック・システムを迎合させることをロータスのエンジニアは考えている。また、ギアシフトの現時点でのギアなしではなく、パドルシフトを持つ、ガソリン・エンジンのギアシフトに近い感覚を持つものを構築することも考えているようだ。

(ヒルトン・ホロウェイ)

ロータス・エヴォラ414Eハイブリッド

価格 NA
最高速度 214km/h
0-100km/h加速 4.4秒
燃費 NA
CO2排出量 55g/km
乾燥重量 1759kg
エンジン 直列3気筒1198cc + モーター
最高出力 47bhp/1500rpm-3500rpm + 201bhp
最大トルク 50.7kg-m
ギアボックス シングル・スピード

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