BMW 540i

公開 : 2016.12.26 05:40  更新 : 2017.05.23 10:22

全面刷新した5シリーズは、最新のコネクティビティ・システムとドライバー・アシストに注目。“駆けぬける歓び” は、当然ながら標準装備だ。

■どんなクルマ?

7世代目へと移行した5シリーズは、代々変わらぬ名声を受け継ぎ、また大いなる期待を背負って生まれたクルマだ。1972年の初代誕生以来、このBMWのミドル・サイズは、世界中で800万台を超えるセールスを記録してきた。09年に登場した先代のF10系だけでも、販売台数は220万台に達する。

永遠のライバルともいうべきアウディA6とメルセデス・ベンツEクラスに加え、近年ではジャガーXFなど新たな挑戦者も参入するプレミアムEセグメントに、5シリーズは属している。

G30とのコードネームで呼ばれるこの新型が、この戦いに勝利し、過去44年にわたるサクセス・ストーリーの続編にふさわしい出来栄えを示したなら、強力な競合モデルを凌ぐばかりでなく、歴代モデルがしてきた以上にこのセグメントの基準を大きく引き上げることだろう。

たった5年ほどのスパンで全面刷新された新型5シリーズは、特筆に値するほど軽量で、しかも空力性能もこれまでにないほど進歩した。さらに、エンジンは大幅アップデートされ、大ヒット作となった先代モデル以上に速く、経済的なクルマに仕上がっている。

ただし、それらにも増して注力されたのは、数々の最新シャシー技術の導入だ。その狙いはクラス・ベストのハンドリングカーという地位を固めなおすことだけでなく、定評ある運動性能に優れた快適性をミックスすることにもある。現状にあぐらをかくことなく、より性能向上を追求し、ますます広い範囲にアピールしようというわけだ。

この新型セダンには、現行7シリーズの色濃い影響が見て取れる。先代よりフォーマルで、ややコンサバティブなルックスはその最たるものだ。ボディ・サイズの拡大に気付きにくくなっているのは、この変化の効果だといえるだろう。全長は36mm伸びた4935mm、全幅は6mm拡大の1868mm、全高は2mm増の1466mmで、ホイールベースは7mm延長されて2975mmというのが、G30のディメンションだ。

この外寸拡大は、もちろん室内スペースの増加にもつながっている。とりわけ顕著なのが、後席の居住性改善だ。前後合わせて5名の成人が乗車しても、各員に十分なスペースが提供される。

後席は左右はもちろん、軽視されがちな中央も適切に着座できるシートであることを明確にした形状に新設計された。リアのオーバーハングが伸びたことで、トランク容量も10ℓ増の530ℓに達している。

英国への導入開始は来年2月で、まずは3タイプのパワートレインが設定される予定。それに続き、ガソリン・ハイブリッドなども間をおかずに追加される見込みだ。日本でも、状況は似たようなものになるだろう。

その3機種のエンジンは、ガソリン1機種、ディーゼル2機種。ただしガソリンは、3.0直6ターボの出力が異なるバリエーションが用意される。251ps/35.7kg-m版を積むモデルは530iで、£40,120(583万円)、360ps/45.9kg-mの540iは4WDのxDrive仕様で、£46,645(678万円)との価格設定が発表されている。

ディーゼルは、英国では最量販モデルとなることが見込まれる520dが、最新の2.0直4(190ps/40.8kg-m)を搭載し£36,025(523万円)、3.0直6(265ps/63.2kg-m)の330dが£43,835(637万円)の設定だ。

トランスミッションは、520dに6段MT、そのほかには8段ATを標準搭載。いずれも多岐に渡り改修され、ミュンヘンでは大幅な洗練を謳う。

また、エンジンとのコンビ・プレーで、従来モデルより全般的に効率が向上しているという。燃費は、540iの後輪駆動仕様で約14.5km/ℓをマークするが、これは先代535iに対しおよそ2km/ℓの改善だ。

スタイリングはコンサバティブ志向ながら、メカニズムは各部で改良が図られたG30系5シリーズ。すべては進化を続けるプレミアムEセグメントのライバルたちを引き離すためだが、そんな中でもっとも注目すべきが、新開発プラットフォームの採用だ。12V電装系も大規模改修が施されたが、これらはいずれも、現行7シリーズと主要部分を共用している。

フラッグシップに用いられるカーボンファイバー構造部材の導入は、コストや差別化の観点から見送られたが、アルミや熱間成形の高張力鋼板は使用範囲が拡大され、540iの車両重量は先代535i比で95kgの減量を実現している。

同時に、ねじり剛性も高められ、新たな方向性を目指したというシャシー・チューニングを施すための土台が形成された。新設計の電動ステアリング・システムや、フロントの改修版ダブルウィッシュボーン・サスペンションも投入している。

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