コンチネンタルGT「スーパースポーツ」は名に恥じないのか? 710台限定車をテスト

公開 : 2017.02.20 20:37  更新 : 2017.05.29 19:02

■どんな感じ?

スーパースポーツであることを視覚的に知らせるのは、ボンネットのダクトやリア・ウイング、カーボンのトリムやアルカンターラを用いたインテリアなど。だが、それらが目に入らなくても、スロットル・ペダルを踏み込めば自分が砲弾になったかのような加速感でそれと知るだろう。

猛烈なトルクと4WDが生むトラクションの恩恵で、0-100km/h加速は3.5秒。0-161km/hは7.2秒で、これは8.9秒だった先代スーパースポーツばかりか、ホンダの新型NSXやメルセデス-AMG GT S、日産GT-Rの最新バージョンといった、名だたるスーパー・スポーツをも凌ぐ。

大きなターボチャージャーは、低回転域では存分に力を発揮できないが、有効なエリアに入れば、これまでのベントレーにはなかったほどの凶暴さで、エンジン回転をレヴ・リミットまで一気に引き上げる。トルクとパワー、パワーとトルク。力がほとばしる。

しかし、残念な点もある。14年間にわたり様々な仕様が登場したコンチネンタルGTだが、そのいずれもエンジンがシャシーに勝っていた。そのシャシーは大きく手を加えずに、エンジンを大幅に強化したらどうなるかは自明だ。GT3-Rで実用化したトルク・ベクタリング・システムが、トラクション/スタビリティ・コントロールと統合されたかたちで採用されているが、それも二者の不均衡を強調するものとなってしまっている。

エンジン強化がシャシーの良さを引き出す場合もあるが、それはパワーやトルクを凌ぐほどのグリップを備えたクルマの話だ。2.3トン近い重量で、しかもフロント・ヘビーのベントレーには当てはまらない。

それゆえ、ドライビングの作法をクルマにあわせてやる必要がある。その必要があるクルマというのは、往々にして実に腹立たしい。

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