EVは中国に振り回されるのか NEV法で「ブームとしてのEV」崩壊の危険性も

公開 : 2018.05.01 11:20  更新 : 2021.10.09 23:54

中国に偏り過ぎるEV市場に対する不安

今回の北京ショーで目の当たりにしたように、中国では2019年のNEV法施行に合わせて、一気にEV普及が進むことが確実となった。

こうした政府主導のEV市場拡大策を実施しているのは、中国だけである。アメリカの場合、ZEV法はあくまでのカルフォルニア州独自の法律であり、米連邦政府とはEV普及に対する考え方が乖離している。

そうなると、世界のEV市場は今後、中国政府の思惑に大きく左右されることになる。とはいえ、NEV法は上手く機能するかのうどうか、少々疑問だ。

なぜならば、2000年代後半から2010年代初頭にかけて中国政府が実施した、バスやタクシーなどの公共交通をEV化する施策「十城千両」が失敗しているからだ。

その際、筆者は中国各地でEVの取材をしたが、「十城千両」は中国政府内部の事情によって、なんの前触れもなくいきなり中止された。

今回のNEV法はしっかりと継続されるだろうか?

中国政府頼みのEVブーム、今後の動きを見守っていきたい。

記事に関わった人々

  • 桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?

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