編集者賞 ヘルベルト・ディース(フォルクスワーゲン・グループCEO) AUTOCARアワード2018

公開 : 2018.05.26 16:40

今年のAUTOCAR編集者賞は先ごろフォルクスワーゲン・グループ会長に就任したばかりのヘルベルト・ディースへ贈られます。ブランド・トップとして、ディールゲートで負った傷からの回復と、電動化への見事な将来計画策定を進めたディースの今後に期待です。

もくじ

ブランド・トップからグループCEOへ
ディースの功績 数字が証明
過去への対応 未来への計画

ブランド・トップからグループCEOへ

ヴォルフスブルクの奥の院での議論は白熱したに違いない。フォルクスワーゲン・ブランドのボスとしての3年間に渡る素晴らしい功績を称えるため、今年のAUTOCARアワードにおける編集者賞を、ヘルベルト・ディースに贈呈することをわれわれが決めた途端、監査役会は彼をグループ全体の舵取り役に任命したのだ。

2015年の夏にBMWからフォルクスワーゲンへ移籍したとき、こんなことになるとはディース自身、想像もしていなかっただろう。フォルクスワーゲンで彼に期待されていたのは、MQBプラットフォーム開発への巨額投資により、主要なライバルメーカーに比べ見劣りするようになっていた利益率の改善と、BMWでのiブランド立上げの経験を活かして、将来的な電動化とデジタル化への準備を進めることだった。

しかし、ディースが移籍した数カ月後に発覚したディーゼルゲートによって、フォルクスワーゲンはそれどころではなくなってしまった。前経営陣の後始末と、傷ついたブランドイメージの回復が彼の役目となったのだ。深呼吸が必要だったに違いない。

ディースの見事な業績は、彼が瞬く間にフォルクスワーゲン・グループ全体の指揮をとるようになったことが既に証明しているだろう。

マティアス・ミュラーの後任にディースを据えることを発表した際、フォルクスワーゲン・グループ取締役会会長のディーター・ペッチュは、この新しいトップに熱烈な支持を表明した。「ディースは、フォルクスワーゲン・ブランドの再編に際して、そのスピードと徹底したやり方で、抜本的な変化をもたらすことが可能だと示してくれました」

われわれもこれに同意する。

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