快適なクルマ、定義とは? 10個のチェックポイント ベスト/ワースト車も

公開 : 2019.05.12 09:50  更新 : 2021.03.05 21:42

正しい運転姿勢 腰のあるシート

ロードテスターのマット・ソーンダースは、真の快適さにとって必要不可欠なのは、「正しい運転姿勢をとることの出来るドライビングポジション」だと言う。

ドライバーは単にクルマのなかで座っているだけではない。つねに重心を移動させ、自らの腕や足を使って操作を行う必要があるのだから、ペダル類がステアリングホイールに対して正しい位置になければ、ドライバーは体を斜めに傾けて座る必要があり、そんな運転環境は決して快適なものだとは言えない。そして、すぐには分からなくても、しばらく運転してみれば、こうした点には必ず気付くだろう。

同様に、ペダルだけでなくステアリングホイールに対しても正しいポジションをとるためには、ステアリングとシートに十分な調整幅が確保されていることも重要だ。

では、調整幅が大きすぎる場合はどうだろう? それも問題だというのはスペシャルエディターのマット・プライアーだ。「あまりにも調整幅が大きすぎる場合、正しいポジションを見つけ出すことができずに、つねにドライビングポジションを調整し続けることになります」と、彼は話している。

そんな状態はもちろん快適とは言えない。では、シートそのものについてはどうだろう? ここでも誤った認識があると、編集責任者のスティーブ・クロプリーは言う。「かつて、特にルノーがそうでしたが、フランス車がこぞって、非常に柔らかいシートを採用した時期がありました。市街地などでは、最初は非常に快適で豪華に感じられますが、ゴルフやパサートといったモデルがはるかにしっかりとしたシートを採用して登場すると、ボディロールがまだ非常に大きかった時代、いかに腰のあるシートのほうが優れているかということに突如気付かされたのです」

さらに、シートが持つ固有振動数とサスペンションのそれとが、完全に別々になるように設計することが必要だとも言う。「もし固有振動数が同じであれば、振動は2倍になります」とクロプリーは話す。「まるでトランポリンに座っているかのように、上下動を繰り返すことになります。ですが、1970年代や80年代生まれのクルマほどではありませんが、こうした問題は、現代のモデルでも時おり見受けられます」

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